×

【特集】漆塗りのミャクミャク "螺鈿"細工の青と"真塗り"の赤 大阪・関西万博公式キャラ 脈々と受け継がれる福井の技

2025年5月19日 19:21
【特集】漆塗りのミャクミャク "螺鈿"細工の青と"真塗り"の赤 大阪・関西万博公式キャラ 脈々と受け継がれる福井の技
1体のお値段は…165万円。

すっかりおなじみとなった大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」ですが、その「越前漆器バージョン」が登場し、福井が誇る伝統工芸の魅力を発信しています。

夜の水面を思わせる美しいブルーに、潤いを感じる艶やかな赤。鯖江市の漆器メーカー漆琳堂が手掛けたミャクミャク像です。

そのお値段はなんと!165万円!

驚きの価格ですが、それもそのはず。漆塗りの4つの技巧を凝らし、職人総出で製作におよそ4か月をかけました。

■漆琳堂 内田徹社長
「日用品的なものではなく、美術工芸とかアート的な意味合いもあって、通常の業務とは違うので、挑戦的な漆塗りだった」

青い目の部分は、砕いた貝殻の内側を使った螺鈿の技が光ります。

白目の部分には、細かく砕いたうずらの卵を張り付けました。形の違う細かなかけらを張り合わせることで、命を宿したような表情が生まれました。

鮮やかな青は、漆を塗った上から粉状の青い漆と金粉をまいて独特な質感に。赤い細胞部分は漆らしい艶が出る真塗りに。複雑な形を11本の刷毛と筆を使い分け、漆が垂れないよう素早く均一に塗り上げました。

一度塗り始めると途中でやめることはできず、時間は普段塗っているお椀の80倍。4時間をかけて仕上げました。

■漆琳堂 内田徹社長
「お椀は一日に何十個、何百個と塗れるので、正直手がどう刷毛を通すかは考えれば分かるけど、このミャクミャクの周りに関しては、刷毛を通す方向とか角度とかは一個一個違うので、そこはすごく難しかった」

このミャクミャク像。工芸品の生活雑貨を扱う奈良県の中川政七商店からの依頼で製作されました。数ある伝統工芸の中から越前漆器が選ばれたワケとは…。

■中川政七商店 デザイナー 羽田えりなさん
「ミャクミャクは設定として、水と細胞から生まれたので、そのことにちなんで、水にちなんだ工芸を選んでいった。漆は潤うような質感が水のようで、ミャクミャクを想起させるのと、漆が乾燥させるには水分が欠かせない」

■漆琳堂 内田徹社長
「漆器自体がこういうこともできるんだと(知ってもらえれば)、越前漆器の知名度がどんどん上がっていくかなと。産地全体の底上げに産地全体で受けられると良い」

福井で脈々と受け継がれてきた伝統の技。世界から注目が集まる万博をきかっけに、その魅力をアピールします。

最終更新日:2025年5月19日 19:21
    福井放送のニュース
    24時間ライブ配信中
    日テレNEWS24 24時間ライブ配信中
    logo

    24時間ライブ配信中