酒米の田んぼに酒かす たんぱく質やアミノ酸が豊富 新たな肥料に、廃棄予定のものを有効利用 大野市・老舗酒蔵の挑戦
大野市内の老舗の酒蔵が、日本酒造りで出る酒かすを肥料として再利用するユニークな取り組みを始めました。
■リポート 吉岡弘起記者
「肥料が高騰する中、酒米づくりに新たに活用するのがこちら。日本酒の香りが立ち込める酒かすです」
今シーズンから本格的に始まった酒かすで酒米を育てるプロジェクト。「花垣」ブランドで知られる大野市の南部酒造場と地元で有機栽培に取り組む生産者のグループがタッグを組んで、1.2ヘクタールの水田に6トンの酒かすを散布します。
酒かすは成長の促進に必要なコメ由来のたんぱく質やアミノ酸が豊富に含まれ、去年の試験栽培では一定の効果があったといいます。
■旭農園 旭政一副代表
「食品ですので安心安全な資材として考えている。もともと廃棄予定の酒かすを有効利用ということで、肥料・農薬に関して値上がりしているので非常に助かる」
日本酒造りで出る酒かすは、産業廃棄物として処理していましたが、肥料として活用することでコストを10万円ほど削減できるといいます。
■南部酒造場 南部拓也専務
「良い酒造りをして、酒から出てきた酒かすで大地のコメ作りに戻す。秋になったら収穫して、酒造りにした循環を保てれば。大野の水とコメにこだわって酒造りしていく上では非常に大切なこと」
生産者グループでは5月に酒米を作付けする予定で、地元で育てて地元にかえす持続可能な酒造りの挑戦が始まっています。