「希少疾患」と向き合う患者たちの声…“病気も全部含めて個性” “育児も出産も諦めない” 願いは…『every.特集』
希少疾患であることを若いうちから知り、病気と共に前向きに歩んでいる人がいます。池崎悠さんは、「CIDP」という末梢神経に炎症が起き、手足に力が入りにくくなる病気を患っています。
患者は全国で推計5000人ほど。池崎さんは、手や腕の力が入りにくくなると言います。発症したのは中学生の時。以来ずっと、この病気と向き合っています。
希少疾患CIDP患者 池崎 悠さん
「例えばマグカップや箸とか、ちょっとした物をすごく持ちづらくなる。すごく疲れやすさもあって。例えば半日外出したら半日寝込んでしまう。ちょっと説明しづらい疲れやすさが出たりします」
手に力が入りにくい池崎さんのために、市の支援によるホームヘルパーが週に2回、掃除や食事の支度をしてくれます。
池崎さん
「ピーマンをおかかと炒めてもらっていいですか?」
ホームヘルパー
「わかりました」
池崎さんは、野菜をしっかりおさえて切る、フライパンを持ってゆするなど、握力を使う調理が難しいのだそう。
また、2歳の長男をお風呂に入れたり、着替えさせたりするサポートは、訪問看護師の手を借ります。
訪問看護師
「はいよっこらせ」
実は池崎さん、まもなく2人目の出産を控えています。
池崎さん
「ヘルパーさんが生活環境を整えてくれ、病気を持っていても(出産を)諦めることはないんだなと強く感じました」
「きょうだいがいて育つの、楽しいかなって、2人目に挑戦している」
現在は月に1回、病院に通い、症状を抑えるための治療を続けています。一つの目安は握力。
主治医
「最近ずっと2桁だもんね。大丈夫そうかな」
症状は落ち着いていて、免疫を安定させるための点滴を受けました。
脳神経内科 三澤 園子 医師
「妊娠中、育児中ということもあり、ご主人ご家族の協力であったり、ヘルパーさん方の支援が欠かせない」
病状は安定しているものの、妊娠中のため、疲労感が激しくなることが多いという池崎さん。この日は、ヘルパーさんに息子を預けて、少し横になることにしました。
池崎さん
「何かあったら呼んでください」
2歳の長男はいま、甘えたい年頃。お母さんの休憩中はヘルパーさんに。
「息子を長時間抱っこするって難しい。息子の全力の愛に全部応えられないのがしんどい。精いっぱいの言葉がけでなんとかカバーできないか…。ちょっとつらいところ」