海の中道大橋の飲酒事故を10代の半数は「知らない」検挙数は3年連続・事故は6年ぶり増加 娘を奪われた男性「諦めず」
11日、福岡県警は飲酒運転に関するアンケート結果を公表し、幼児や高校生らが命を奪われた飲酒運転死亡事故を「知らない」と答えた若者が多いことが分かりました。遺族は、命の大切さを訴え続けることが重要だと話しました。
福岡県内では去年、飲酒運転事故が96件発生し、6年ぶりに増加に転じました。検挙数は3年連続で増えていて、飲酒運転をした理由について「見つからなければよいと思った」が最も多かったということです。
こうした状況を踏まえ、福岡県警は県内で過去に起きた飲酒運転事故などについて、県民およそ2200人を対象に、運転免許試験場やインターネットでアンケートを実施しました。
アンケート結果によりますと、福岡市東区で幼児3人が命を奪われた2006年の飲酒運転事故については、全体のおよそ9割が「知っている」と回答しました。しかし、10代ではおよそ半数が「知らない」と答えました。
また、2011年に粕屋町で高校生2人の命が奪われた事故については、全体のおよそ4割が「知らない」と回答しています。
この状況に強い危機感を感じた人がいます。
■大庭茂彌さん(77)
「不審な車がいたらすぐ110番をしてください。交通事故、飲酒運転事故を一件でも減らす。これが君たちに今できること。」
飲酒運転の車に娘の命を奪われた、糸島市の大庭茂彌さんです。大庭さんは娘を失ってから20年以上、飲酒運転撲滅の呼びかけを続けています。
■大庭さん
「年数がたてば風化する。だけれど、僕たちは諦めずに講演しないといけない。これは娘から与えられた使命だと思っています。」
福岡県警は、飲酒運転の悪質性の認識が不足している表れとした上で、これからハンドルを握る若者を中心に安全教育を強化するとしています。