【実際の音声】警察官かたる詐欺が急増「逮捕状と聞いたら電話を切って」県内の被害は3か月で29億円 過去最悪ペース 福岡
福岡県警は、ことしに入って3月までのニセ電話詐欺などの被害額が、およそ29億円に上ったと発表しました。過去最悪だった去年を大幅に上回るペースで被害が広がっていて、警察は強い警戒感を示しています。
福岡県警によりますと、県内のニセ電話詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は、ことし3月までにおよそ28億6000万円に上り、去年の同じ時期より10億円以上増えています。
特に警察官をかたるニセ電話詐欺が急増していて、被害額は去年の10倍を超えおよそ8億7000万円となっています。
LINEで逮捕状や警察手帳を示した上、「資金を調査するため」として、指定した口座に現金を振り込ませだまし取る手口が多く、今年に入り金(きん)を購入させてだまし取る手口も確認されています。
福岡県警は、実際に県内の女性の自宅の固定電話にかかってきた音声を公開しました。この際は、女性は詐欺と気づき、被害に遭わなかったということです。
■警察をかたる男
「奈良県の警察本部では、カードが出てきている以上ね。○○さんが、このグループの資金洗浄に加担しているのではないかっていう容疑がかかっている状態。」
■女性
「あらー。」
■警察をかたる男
「今回ね、これらのキャッシュカードがオレオレ詐欺の振り込み先の口座として利用されましてね。」
■女性
「えー。」
■警察をかたる男
「その罪が成立した場合、逮捕されることがある。」
■女性
「えー。」
■福岡県警・村田圭介 犯罪抑止対策室長
「騙しのプロなので、毎日練習したりマニュアルがあったりするので、非常に巧妙。まったく身に覚えがないのに容疑者にさせられて、何とか免れたいなという心境にさせていく。」
特に注意すべきは「逮捕状」「資金調査」「マネーロンダリング」「SNSで取り調べ」といった言葉で、警察はこれらの言葉を聞いたらすぐに電話を切って相談してほしいとしています。