【特集】広島県の虚偽の公文書作成問題 「重大な事案」知事が陳謝 これまでの経緯を記者が解説
広島県が災害復旧工事をめぐり、虚偽の公文書を作成していた問題で、湯崎知事は、県民に不信感を招いたとして陳謝しました。
■広島県 湯崎知事
「重大な事案だと受け止めておりまして、県民の皆さまに、心からおわびを申し上げたい。」
この問題は、呉市安浦町の災害復旧工事をめぐり、県が作成し、国に提出した公文書が「虚偽」だったものです。さらに、公文書の偽造について、県の職員からの公益通報があったものの、当初、十分な調査をしないまま、事実を特定できなかったと判断していました。県は、第三者を加えて、一連の対応などを調査することにしています。
■広島県 湯崎知事
「原因、事実関係そのものを特定したうえで、実効性のある再発防止を考えていきたい。」
なぜ、このような問題が発覚したのでしょうか。広島テレビの広島県政担当・門脇明伸記者の解説です。
■広島テレビ広島県政担当・門脇明伸記者
「こちらは、広島テレビが県に開示請求を行い、入手した「虚偽」のものとみられる公文書です。「協議録」と書かれている書類です。呉市での災害復旧工事をめぐり、県が作業場として借りる必要があった土地についてのやり取りが記載されています。」
■広島テレビ広島県政担当・門脇明伸記者
「「当方」は県側、「相手方」は土地の地権者とみられます。「相手方」の発言をみると、「県に貸すつもりだったが、呉市と再契約してしまった」という内容が書かれています。しかし、この「地権者」とみられる人物は、「実際の地権者」ではなかったということです。実際にやり取りがあったのか、そもそもやり取り自体が本当にあったのかも、わかっていない状況です。」
■広島テレビ広島県政担当・門脇明伸記者
「今回の事案、問題点は「虚偽の公文書」と、きっかけとなった「公益通報の対応」にあります。まず「虚偽の公文書」ですが、具体的にいつ作成されたかは分かっていません。国土交通省には、2021年10月に提出され、県は国からおよそ200万円の補助金を受け取っています。一方その翌月、県の職員から、書類が偽造されたものではないかと、不正を知らせる「公益通報」がありました。県は調査の結果、2023年4月に、「事実の有無を特定できなかった」と結論付けました。この時の調査では、土地の地権者への聞き取りをせず、十分な調査をしていなかったことが判明します。県は2025年4月、再調査に乗り出し、その結果、公文書が「虚偽」だったと認定したという経緯になります。」
■広島テレビ広島県政担当・門脇明伸記者
「判明したのが、書類に記載された地権者が「実際の地権者」と異なる人物だったことと、協議したとされる日に、一部の職員に出張記録がなかったことです。県は、「虚偽の公文書」を誰がどのような理由で作ったのか、そして第三者の弁護士を加えて、公益通報をめぐる一連の対応を、調査することにしています。」
【テレビ派 2025年5月13日放送】