【特集】大阪・関西万博の会場に設置されたイス 広島県のメーカーが製造 ある技術と込められた思いとは…?
開幕から1か月を迎えた大阪・関西万博。世界から人々が集まる会場に、広島県府中市の企業がつくったイスが置かれています。その技術と思いに迫りました。
4月13日に開幕した、大阪・関西万博。158の国や地域が参加し、それぞれが趣向を凝らしたパビリオンなど、見どころ満載です。
会場の西側にある「フューチャーライフゾーン」に置かれているのは、広島県の府中市のメーカーが作った「スツール」と呼ばれる、背もたれがない1人掛け用のイスです。
広島から世界へ、技術と思いが込められていました。
■会場の担当者
「数多くのデザイナーと一緒に、自分たちの持っている素材を、きれいに作っていきましょうということで、デザイナーさんが作った成果と。」
広島県の東部にある、府中市上下町の山あいにあるメーカー「伝統工芸」です。木製のイスや机など、およそ30種類を製造しています。広島テレビの木村和美アナウンサーが訪ねました。
社長の服巻年彦さんに、工場の中を案内してもらいました。
■伝統工芸社長 服巻年彦さん
「(作っているのは)弊社のスツール(イス)の座面になります。職人が一つ一つ丁寧に、自分の手で確かめながら、なめらかにしています。」
創業は1983年。最初に手がけたのは、絵や写真を飾る額縁でした。
■伝統工芸社長 服巻年彦さん
「額縁の需要が少なくなってきたというのもあるんですけど、自分たちの技術をほかの物に転用できないかという時に、ソファーメーカーとか、いろいろなメーカーから(家具作りの)依頼があって、自分たちの技術は額縁だけでなく、家具にも流用できると気づかされて。」
家具づくりを始めたのは、2012年から。万博会場に設置されたスツールには、額縁の技術がいかされています。
■広島テレビ 木村和美アナウンサー
「額縁に使われている技術が、イスにも応用されているということなんですが、どういった技術ですか?」
■伝統工芸社長 服巻年彦さん
「この部分になるが、(木材を)45度で裁断して、90度に組み上げる(技術)ということですね。」