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今なお水害から町を守る 江戸時代に造られた防災設備「別所砂留」とは…!?  広島・福山市【みんなで防災プロジェクト】

2025年5月9日 15:41
今なお水害から町を守る 江戸時代に造られた防災設備「別所砂留」とは…!?  広島・福山市【みんなで防災プロジェクト】

水害から町を守る防災設備には、江戸時代に造られ、いまも活躍しているものもあります。いったいどんな設備なのか、広島テレビの寺本卓也気象予報士・防災士が取材しました。

福山市北部の芦田町にある防災設備は、細い山道を登った先にあります。

地元に住む、別所砂留を守る会会長の光成良秀さんに、案内してもらいました。

■広島テレビ 寺本卓也気象予報士・防災士
「こちらの石段は、なんですか?」
■別所砂留を守る会 会長・光成良秀さん
「これは「鎧積み」と言われる組み方の江戸時代の砂防ダム。 「砂留(すなどめ)」と呼ばれています。」

■広島テレビ 寺本卓也気象予報士・防災士
「砂防ダムのことを、昔は砂留と言っていたんですね。」
■別所砂留を守る会 会長・光成良秀さん
「字のように、砂を留める。」

高さおよそ10メートルで、何重にも石を組み上げて、造られていました。地元の人たちからは、「別所砂留」と呼ばれています。

これは、雨が降った時の様子です。水が滝のように、砂留の上を流れ落ちています。どのような構造になっているのでしょうか?

砂留は、豪雨で山から流れ出た土砂をせき止めます。その後、土砂に含まれた水だけが、石と石の隙間から排出される構造となっています。文字通り、砂を留めて水だけ流れ出ています。

■広島テレビ 寺本卓也気象予報士・防災士
「こちら、かなり前に造られたものなんですか?」
■別所砂留を守る会 会長・光成良秀さん
「おそらく、1700年代初期に組み上げられたものだと推測しています。この福山藩で、1680年代に大洪水があって、大雨が降って、ご多分に漏れずに、ここも土砂災害があったと推測しています。」

地元に残る1700年代の古文書には、村人が砂留を管理していたことが記されています。実は「別所砂留」は、ひとつではありません。谷に沿って36基が、確認されています。

別の砂留を、案内してもらいました。江戸時代の先人は、高さが18メートルもある砂留を人力で造りあげました。

■広島テレビ 寺本卓也気象予報士・防災士
「光成さん、こちらは何ですか?」
■別所砂留を守る会 会長・光成良秀さん
「日本一の規模だと言われる、10番砂留です。」

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