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老衰で伐採されたご神木 地元高校生たちが神木を描いた“絵”を制作 広島・熊野町

2025年4月30日 18:59
老衰で伐採されたご神木 地元高校生たちが神木を描いた“絵”を制作 広島・熊野町

安芸郡熊野町で去年、樹齢800年とされる巨大な杉の木が伐採されました。それは、神社のシンボルだったご神木で、今月、形を変えてよみがえりました。

■除幕

今月、熊野町の榊山神社に奉納された縦1.2メートル、横1.5メートルの絵。境内にあった”御神木”に人々が集まる様子が描かれています。

■榊山神社 宮司 梶山望さん
「この神社の正面に立っていたこのご神木。老齢に伴って、倒れてしまう危険があるということで昨年5月にやむを得ず伐採をさせていただきました」

■伐採ノイズ

去年、伐採された樹齢800年とされる杉の木。かつて避雷針となり神社を火災から守った…。神社のシンボルとして、親しまれてきましたが、腐食が進んでいました。

■地域住民
「寂しいです。小さい時からずっとあるもんね」「あの前で写真撮ってるよね」

■宮司・梶山さん
「ちょっと寂しいですね。まさか自分の代で切ってしまうとは思っていなかったことで」

ご神木の存在を後世に伝えたい…。作品の制作が始まりました。絵を描く板は伐採した木を使って作られたもの。取り組んだのは熊野高校の生徒たちです。約4か月かけて完成させました。

■熊野高校3年生 美術部 坂元空弥さん
「鎌倉時代からこの令和になるまで、たくさんの人が助けられたんだよとか、集まっていたんだよというのを示したくていろんな時代の人だったり男女関係なくいろんな人がご神木に感謝していたり、まわりで話していたりするという作品にしました」

作品には「絆」の文字。そして、「災いを乗り越え八百年」「この地を守り歴史を語り継ぐ」とも記しました。

■熊野高校3年生 書道部 横田七華さん
「今はこうして(ご神木が)切れてしまったけど、ご神木の偉大さをこれからも語り継いでほしいなって思います」

神社の正面に取り付けられ、訪れる人を迎えます。

■榊山神社 宮司 梶山望さん
「すばらしいものを作ってくれたなと思ってます。この境内の中に入って今度は地域の皆さんを見守るようなそういった存在になってほしいなと思います」

長年、熊野の人たちを見守ってきた御神木は、形を変えてこれからもこのまちを見守り続けます。

【2025年4月30日放送】

最終更新日:2025年4月30日 18:59
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