【中継】浅尾環境相と水俣病被害者の懇談1日目 謝罪したものの「かみ合わない考え」
(東島大記者)
原因企業チッソが垂れ流したメチル水銀を埋め立てた跡地につくられた公園です。5月1日慰霊式は、この場所で行われます。浅尾環境相と水俣病被害者との懇談は今も続いています。懇談では冒頭、浅尾環境相があらためて謝罪しました。
■浅尾環境相
「皆さまとの懇談の場におきまして、マイクを切るという不適切な運営があったことに対して、改めてお詫び申し上げます」
(緒方太郎キャスター)
去年のマイクが切られた事件をきっかけに、国と被害者団体は継続的な協議を続けることになりました。きょうは、その成果のとりまとめみたいなことになっているのでしょうか。
(東島大記者)
残念ながらそういう状況にはなっていません。この1年、国と被害者団体との協議はほとんど前に進んでいない状況です。それは健康調査の問題もそうですし、何よりも、例えば水俣病問題への認識はどうなのかといった根本的なことは今、懇談の場で問われています。
(緒方太郎キャスター)
去年の反省から、今年は2日間、懇談をするということになりましたが、その成果について、そう感じましたか?
(東島大記者)
きょう、とても印象的なシーンがありました。胎児性患者の坂本しのぶさんが、生活している施設の人手不足を訴えた時のことです。
浅尾環境相と熊本県の木村敬知事は、今の日本全体の福祉現場の人手不足に一般化して「努力します」と答えたのですが、実はしのぶさんが暮らしている施設は、かつて国が胎児性患者の生活支援を充実させると約束して作った施設なんです。それが、いつの間にか夜間に職員が2人しかいないというようなことになってしまったんです。
そういう経緯を考えますと、きょうの浅尾環境相たちの反応は本当にかみ合っていない。このかみ合っていないということこそが、去年のマイク切り問題や、懇談で話が全然前に進まないということを象徴していると感じました。