【確保の瞬間】闇バイトの「受け子」 SNSで知人少年を勧誘した疑いの男を逮捕
11月21日の昼間、熊本市中央区のアーケード街で大勢の警察官に取り囲まれた男。時折、不服そうな表情を見せていたのは、熊本市中央区中央街の自営業・大塚藍希容疑者(24)です。知人男性に対する傷害の疑いで逮捕されました。
この傷害の疑いについて9日、処分保留で釈放された大塚容疑者。警察は、知人を闇バイトに勧誘した職業安定法違反の容疑で再逮捕しました。
大塚容疑者は今年10月、すでに同じ容疑で逮捕された16歳の少年にSNSで「県外に出て上の指示通りに動くだけで40万円もらえる」、「お金を受け取ったり、お金を送金する仕事だよ」などと送信させ、知人の少年を詐欺事件の「受け子」などに勧誘した疑いがもたれています。
16歳の少年が「大塚容疑者から依頼された」と供述したことで、逮捕につながりました。警察は「捜査に支障がある」として大塚容疑者の認否を明らかにしておらず、他にも共犯者がいる可能性が高いとみて捜査を進めています。
【スタジオ】
「闇バイト」をめぐっては、今年に入ってから県内でも逮捕者が相次いでいます。そもそも「闇バイト」とは、特殊詐欺などの犯罪実行役の募集を指します。甘い言葉で誘われて、取返しのつかない事態を招いてしまいます。
私たちが報じるニュースでも「受け子」など、さまざまな実行役の名前が飛び交いますが、巧妙に役割が分かれています。今回逮捕された男は、「受け子」を勧誘した疑いがもたれています。被害者から現金などを受け取る役割を指します。
ほかにも、特殊詐欺の手先として他人の口座から現金を引き出す「出し子」、被害者に電話をかける「架け子」があります。「かばんを失くした」など話術も巧妙化しています。また、目的や相手もわからず、コインロッカーから現金などを運ぶ「運び屋」、他人名義の携帯電話や銀行の口座を手配する「道具屋」という役割も存在します。