衝突事故車両含む半数以上で「速度計未設置」熊本市電すべての編成へ設置検討
熊本市電では3月25日、電停に停車中の車両に後続車両が追突し、乗客など15人が重軽傷を負いました。事故のあと熊本市交通局は、後続車両についてドライブレコーダーの分析などから、100メートル手前では内規で定められた「時速15キロ以下」を上回る時速26キロで走行。減速が不十分だったため時速17キロで追突したと説明していました。
■熊本市交通局・荒木敏雄 運行管理課長
「スピードが出すぎていたのではないかというところも含めて可能性がある」
事故の原因の可能性に“速度超過”を上げていた熊本市交通局。しかしその後の取材で、後続車両には速度計がついておらず、運転士の肌感覚で走行していた結果、速度超過していたことが新たに分かりました。
■緒方大樹記者
「追突した車両と同系統の車両です。速度計が設置されている車両ではこの辺りにメーターがあるということです」
熊本市交通局で保有する45編成のうち、1980年代より前に製造された車両など、半数以上にあたる26編成で速度計がついていないということです。一方路面電車の速度計の設置は、法的な義務はありません。交通局では免許の取得試験で車両の速度の感覚が正しいか検査しているほか、取得後も年に1回検定で確認しているということです。
事故を受けて、熊本市交通局では、すべての車両への設置を検討しています。