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【ゼイチョー】滞納額は100万円超!差し押さえはドラマのように緊迫の瞬間…「ゴミ屋敷も」生活立て直しのために

2023年11月28日 18:46
【ゼイチョー】滞納額は100万円超!差し押さえはドラマのように緊迫の瞬間…「ゴミ屋敷も」生活立て直しのために
早朝。熊本市内のマンションを訪ねるジャンパー姿の人たち。

■熊本市職員「熊本市役所の納税課です」
■滞納者「は?」
■熊本市職員「納税課」
■滞納者「納税課?」

ここは税金滞納者の自宅です。

■熊本市職員「きょうですね、135万1220円一括納付もしできないのであれば、国税徴収法に基づいて家宅捜索をします」
■滞納者 「…30万くらいはあるばってんね」
■熊本市職員「30万ですか?30万ではだめなんですよ。これ強制調査なんですよね。」
■滞納者「どがんかならんとね?」
■熊本市職員「どがんもならんです。平成29年から滞納が…」
■滞納者(泣く声)
■熊本市職員「今から入りますので」

滞納者が涙を流しても毅然とした態度で捜索に入る、熊本市“特別滞納対策室”の徴税吏員、その名も“ゼイチョー”です。


先頭に立って滞納者と交渉するのは徴税吏員歴10年以上のベテラン林慶司さん。

■ 熊本市納税課特別滞納対策室 林慶司主幹「ずるずる行くより、取れるものは取る、取れないものは取れないという判断を1回でできるだけ終わらせるようにしています」

私たちの生活のために使われる財政の根幹となる税金ですが、期限内に納付しない滞納者がいます。
中でも、80万円以上の高額滞納者を担当する特別滞納対策室。徴収するのは住民税や固定資産税など。

再三の催促にも応じない人には対面で交渉しますが、それでも支払われなければ不動産、預貯金、車などの差し押さえに着手。
交渉が折り合わない場合は最終手段として家宅捜索し、家電や貴金属などを売却して滞納分に充てることもあります。

■特別滞納対策室 深田大介室長「相手の方が興奮されたりする場合もあるので、私たちは毅然とした態度で、公平性もって納付していただいているということをお話して、納税意識を変えていただくことを重要視している」

チームには女性のメンバーも。

■特別滞納対策室 村田貴子主事「捜索に行くときは自宅に上がらせていただくので、奥さんとか娘さんとかいらっしゃる場合は、女性の部屋も確認しないといけないので」

この日は大事な打ち合わせ。
催促に応じなかったり納付の約束を守らなかったりしたため、所有する車やバイクを差し押さえます。

使用できないよう、国税徴収法に基づきタイヤにロックをかけるのです。

■会議「滞納状況の報告に移ります。87万と9700円滞納があって、延滞金も含めると105万と5900円を滞納しています」

100万円以上滞納している事業者。現地に行く全員で綿密に打ち合わせます。

■会議「当日はハイエースをおさえる?」「ハイエースよりNボックスが確実にあります」「状態を見て判断することになると思います」

■林さん「本当に払えない人もいますし、 払えるのに払わない人もいますし、そういうのも出向いて行って見極めをしています」

差し押さえの当日。
朝7時前に集合したゼイチョーのメンバーたち。

■深田室長「聞き取り、ロックをする方と車の写真を撮る方、それぞれ担当をしっかり対応していただいてお願いします」

税金滞納者の元へ向かいます。

■林さん「車を差し押さえにきました」
■滞納者「え?支払い、この前行ったんですけど」

カメラが見た、緊迫の現場。
果たして、差し押さえることはできるのでしょうか?


熊本市の税金徴収係「ゼイチョー」のメンバーたち。
向かっていたのは、市税を100万円以上滞納している会社の事務所です。

代表者が姿を現しました。交渉が始まります。

■林さん「きょう一括納付できないのであれば、 Nボックスを差し押さえします」「いま100万とか納付可能ですか?」
■滞納する代表者「いや今は無理ですね」
■林さん「タイヤロックをして鍵をいただきましたので、最終的に差し押さえ調書最終的にサインがいるんですけど、サインしていただいてもいいですか?」
■滞納する代表者「ちょちょっと確認していいですかね、事務の方に」

ゼイチョーの説明に、ようやく「来月初めまでに納付する」と約束した代表者。
タイヤをロックして納付を待つことに。

■記者「この車はいくらくらいになるんですか?」
■林さん「10万とか20万とかだと思います。」
■記者「回収は?」
■林さん「できないです。一応納付約束していただいているので(ロックを)つけたまま帰ります」「納税意識が薄いんだと思います」

続いて2軒目。

■林さん「車を差し押さえにきました」
■滞納者「え?支払い、この前、行ったんですけど」
■林さん「納付はされていない市県民税(住民税)と固定資産税です」

若手の村田さんもタイヤをロックしたり差し押さえ調書を記入したりと手際よく作業を進めます。

■村田さん「きょうバイクの差し押さえをした2台分の調書になります。連絡先はこちらです」

この日は3軒を回り、車2台、バイク2台を差し押さえました。

■林さん「3軒とも会えまして、早急に納付する方と期限を設けて一括納付する方だったので、成果があった方だと思います」

それでも納付されない場合には、差し押さえた車を公売に掛けて現金化し、滞納分に充てます。
5件に1件は公売にもつれこむのが現状だといいます。

■林さん「(タイヤロック)する方も苦しいんですけど、 納付いただけない場合はこういう風にしないと納付していただいている方と平等性が保てないのかなと思います」

■畑中香保里アナウンサー「緊張しませんか?」
■村田さん「毎回緊張はしているんですけど、 林さんとかの力を借りて、なんとかやっています」「頼りになるというか、判断が早くて指示も早いので、頼りになります」「いつも優しいですよ(笑)」

信頼関係がチームを支えています。

時には、こんな場面も。(部屋のカギをこじ開ける)
タイヤロック後、全く連絡がない滞納者。
自宅の鍵を開けて捜索に入ります。

■林さん「車ば差し押さえして連絡ばずっと待っていたんですけど、 連絡がないんで、きょうは車の鍵をもらいに来ました。」
■滞納者「病院行かれん、アルバイトもいかれん、どがんすっとな」
■林さん「払えん人からうちも取るわけにはいかんけん、状況ば色々教えてもらって、話せばわかるじゃないですか」「納付できないなら(車は)うちが売って、税金に充てるしかないです」「そのあとの話はですね、払うのが厳しいのであれば厳しいという手続きもできるので、もう一回話ができんですかね?」

滞納者の心に寄り添うことも重要な役割です。

■林さん「家に入ったら、ごみ屋敷だったり、生活するのがやっとという人もいる」「できるだけ、今後、苦しい生活をされないように、一度、税金の滞納をまっさらにして、生活保護を紹介したりとか、そのあとも状況をみたりとか、こちらの方でしていますので、苦しい場合はいろんな案内をしています」

滞納者のその後の人生も見据え、最善の方法をを模索するゼイチョーたち。

■林さん「人間同士ですので、形上だけでいけばどうしてももめたりもするし、お互い尊重しあって、話をしていけば滞納者の方も分かっていただけますので、コミュニケーションとりながら滞納整理をやっています」

厳しさと優しさを併せ持つ彼らは、公平な社会のためにきょうも奮闘しています。

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