特別企画「高校のこれから」 高校入試制度 見直しへ
エブリィ特別企画「高校のこれから」最終回、5回目のきょうは、高校の入試制度についてです。
今後、高校再編を進めるにあたり、県が先月、一部修正してまとめた「新時代とやまハイスクール構想」。
修正案で初めて入試制度を見直すことが盛り込まれました。
構想では、全ての県立高校を対象に再構築し、新しい高校はこの8つの学科構成をどれだけ、どう組み合わせるかで検討していくことになります。
この新しい構想では今の入試制度のままでいいのか 疑問が出てきたのではと思われます。
背景について、県教育委員会の廣島教育長に聞きました。
廣島教育長
「入試制度というものともここはリンクしてくるものだろうと思いますが、合わせて今回入試制度についても見直そうということで、はじめ、計画にはなかったんですけどもあの構想に盛り込んでいます。やはり、これまであまり 数十年 基本的なスキームが変わっていないということが 入試制度についてはですね あると思います。学力だけではなくて他の要素で判定すべきではないかといったことですとか、推薦入試のあり方がいいのか、そういったようないろんな意見がございました」
私や上野さんが受験した時から基本的には同じやり方で入試をやってきたんですよね。
僕も同じですね。
今の入試制度では全ての高校で同じ問題を出すかたちですが、高校ごとの独自の入試制度に変えたほうがいいのではないか、他にも学力以外の選抜方法、2次募集や推薦入試のあり方など、見直しを含め検討することにしています。
最近は、定員割れする高校も多いので、入試制度そのものを見直す時期なのかもしれませんね。
しかも、定員割れが毎年恒例になると、2次募集の枠も前期後期みたいにウエイトが高まりますよね。
そうですね。その入試制度については先週、石破総理が一つの公立高校しか受験できない「単願制」の見直しに向けた検討を指示しました。
これを受け、新田知事も「単願制」の見直しに前向きな意向を示しました。
今後、県教育委員会で検討していく見通しです。
廣島教育長
「今は単願制っていうような形 もありますけど それを単願じゃない 複数志望のやり方とかですねこれはいろいろ、これ学力だけっていう話ではないのかもしれませんけど、入試の制度のやり方 他県でもいろいろやってますし、そういうやり方をしている県が、広島、愛知県とかにもあるんだろう、これは1つの例、ですけども、いろんな形を考えていかなくちゃいけないのかなと。ただ、こういう入試制度の改革は生徒さんに大きな影響を与えますから 丁寧に議論していくことが前提、だと思っていますね」
全国では富山含め「単願制」がほとんどですが、愛知県では2つの公立高校まで受験できる「併願制」を導入しています。
保護者からは公立進学のチャンスが増えたとの声があります。
ただ、志願倍率の地域間格差が拡大したり、システムが複雑で学校側の負担が大きかったりと課題もあるということです。
また広島県では、学力検査などに加え受験生ひとりひとりの面談も実施し、採点に加味しています。
単願制見直しを検討する国の狙いは、高校授業料の無償化が私立でも拡充することで公立離れが加速するという危機感があります。
富山県は、国の見直しとちょうどタイミングが重なったわけですが、高校入試が見直されると、中学校での教育内容にも影響するので、合わせて考えていかないといけませんね。
さらに県が入試制度の見直しに合わせて3年後の2028年度の開設を目指すのは、外国人の特別入学枠です。
廣島教育長
「外国人の方々増えていくと思いますのでそういった方々と人材として育成していくか ということを 県立高校としても担っていきたいという趣旨でございます。生徒さんの実態に合わせてその学校生活 日常生活の質をの向上を図っていく必要があると、そういったことをそういう姿を目指していかなくてはならない。その入学後の教育課程ですとか日本語指導、そういったような体制もしっかり考えて この外国人枠というものを作っていきたい」
県内に住む外国人は今年1月時点で過去最多の2万3000人あまり、県の総人口の2.4%を占めるまでになっています。
今後も増え続けるとみられることから日本語指導などの支援体制も含め外国人特別入学枠の開設を目指しています。
高岡向陵高校と新川高校を運営する私学振興会の荒井副理事長も外国人生徒への対応が急務だと指摘します。
荒井理事長
「家族でね 海外から 来ていただきました そうなると 子どもさんに対する教育 って必要になってくるんですけど、そこになかなか 県立高校のそういうお子さんを 受け入れる体制が整っていない。外国人の方々に 教育も、ちゃんと生活ができる 衣食住と教育ですよね、 それが整う体制を取っていく これが一つカギになってくるではと思います。多文化共生であり多様性であり というのは大変大きな テーマになってきます、そこにしっかりと取り組めていけるかどうか」
これまで5回シリーズで県内の高校がこれからどう変わろうとしているのか、みてきましたが、佐伯さん。
本当にこれから大きく根本から変わろうとしていると改めて感じました。
この新しい構想ができる2,3年前の高校再編の方向性は、根強い反対意見がありましたが、今回は、総論賛成が多いですよね。
ただ今後、具体的な議論に入っていくと、各論反対の意見も出てくるかもしれません。
かじ取り役を担う廣島教育長に高校再編の新しい構想への意気込みを聞きました。
上野「公立の魅力ぐっと高まると考えていいですか」
廣島教育長
「高めたいですよね、そのために私どももしっかりここを考えていくということなので、これ最後の結論にもなるのかもしれませんが やっぱり学んで良かったと学びたい学んでよかったっていう学校を作る、そのために私ども頑張っていかないといけない、そのように思っています」
具体的に議論していく県の検討会議の初回は、近く開かれる予定です。