富山県立高校再編でイメージする大規模校は? 県教委が埼玉視察
県立高校の再編構想では大規模校の設置が柱の一つになっています。
その参考にしようと県教育委員会は、きのう埼玉県立の大規模高校を視察しました。1学年およそ800人の高校でどのような学びが行われているのか、お伝えします。
埼玉県で最も大きい県立高校伊奈学園総合高校です。きのう、県教育委員会の廣島教育長らが視察しました。
この高校は、1984年に全国初の総合選択制普通科高校として開校しました。
東京ドーム3個分の敷地で生徒2342人が学んでいます。
1学年の人数はおよそ800人。教員も非常勤を含めると200人を超えます。
授業の間には、大勢の生徒が廊下を移動。さながら大学のキャンパスのようです。
伊奈学園総合高校 樫浦岳人校長
「本校の特徴・特色、求められているものとして多様な子どもたちのニーズに応えられるカリキュラムこれが一番です。イメージとしては大学の学部学科をイメージしていただけるといいかなと思います」
大規模校ならではの多様な学びの提供を
富山県の県立高校再編の構想は、現在の34校を大・中・小規模校に再構築して、2038年度には20校から22校にまで絞り込む方針です。
大規模校は県東部と西部に1校ずつ配置する想定で、校舎は既存のものでは狭いので新たに建てる方針です。
今回の視察先である伊奈学園総合高校の特徴の1つが、大規模であることを生かした多様な学びの提供です。
たとえば外国語は英語だけではなく、ドイツ語やフランス語、中国語も選択することができます。
生徒は2年生になると語学や理数、芸術など7つの学系に分かれ、170の選択科目を含む193の授業から「自分だけの時間割」を作って学んでいきます。
伊奈学園は1学年が800人。これに対し富山県の構想では「大規模校」は1学年320人以上を想定しています。
視察した廣島教育長はここまで大きな高校を県内につくることは難しいとしながらも、多様な選択肢の提供というメリットは取り入れたいと話しました。
富山県教育委員会 廣島教育長
「富山県にない大規模校の実態を見ることができたのはありがたかったかなと思う。大規模のメリット、その生かし方を反映させていくということになるだろう」
県立高校の再編に向けて県は今年度新田知事を会長とする検討会議を設けて話し合いを進めています。
今月9日に開かれた検討会議の初会合では、大規模校がさっそく議題となりました。初めての取り組みだけに、具体的にどのような学校にするのか議論を深めてほしいと思います。