“あの日の記憶”後世に のと鉄道「震災語り部列車」が定期運行 語り部の乗務員は…
ホームにお目見えしたのと鉄道の観光列車「のと里山里海号」。
震災語り部列車としてリニューアルし、6日から定期運行が始まりました。
「震災語り部観光列車、出発です」
去年9月以降、団体客向けの特別列車として運行されていた語り部列車。
今回のリニューアルで定期運行が始まり、個人客も乗車できるようになりました。
停車スポットを設けながら、穴水・七尾間を約50分かけて走ります。
発災当初は線路が土砂にふさがれたり、駅のホームが損壊し運休を余儀なくされたのと鉄道。
語り部を務める乗務員の宮下左文さんは、地震発生時にのと里山里海号に乗車していました。
「16時10分、先ほどの揺れとは違います。立っていられません。津波がくるぞということで、あの坂を上り始めたわけです」
車窓の風景や写真とともに、震災の記憶を自らの言葉で伝える宮下さん。
去年7月には、東日本大震災を経験した岩手県の三陸鉄道を訪れ、震災の伝え方を学びました。
乗務員・宮下 左文 さん:
「学生さんにも震災、豪雨、こういう話を直接お聞きいただければなという思いもあります。地震というのは突然ですけれど、なんとか守る方法はそれぞれあると、語りを聞いた上で改めて考えていただきたい」
震災の教訓を後世に… その思いを1番列車の乗客に伝えました。
「能登弁でお別れしたいと思います。ほんならね、また来てくだいね。待っとんね。本日のご乗車誠にありがとうございました」
地元の乗客は:
「もう、きょうは感動しました。話聞いているだけで涙出てきた」
「地元民としてもそうですし、震災復興ってことで、外からもどんどん乗りにきて、能登が注目されていけばいいなと思います」
観光列車を能登復興に向けた1歩に… のと鉄道の奮闘は続きます。