「海洋熱波」がきっかけ 奥能登豪雨の発生メカニズム 九州大研究チームが解析 この現象とは?
去年9月、16人が命を落とし、1800棟近くの住宅が被害を受けた奥能登豪雨。
能登半島の上空に線状降水帯が発生し、石川県内で初めて大雨特別警報が出されました。
なぜ、これほどの記録的な豪雨となったのか。
今回、解析結果を発表した九州大学の川村隆一教授は、その原因について次のように指摘します。
九州大学・川村隆一教授
「平年に比べて、プラス4.5℃以上の海水温、いわゆるこれを『海洋熱波』と呼んでいまして、台風の遠隔降雨が増幅された」
豪雨当日、台風14号により大量の雨雲が流れ込んでいた能登半島の上空。
一方で、その真下にある海域では、猛暑の影響で海面温度が異常に上昇し、水蒸気を供給する海洋熱波が発生。
結果、降水量が増幅され、甚大な被害につながったといいます。
九州大学・川村隆一教授
「(海洋熱波で雨量が)約4割弱のかさ上げ効果があったという見積もりをしてますので、複合して、このような極端な豪雨になってしまった」
川村教授は海洋熱波の精密なモニタリングと台風の遠隔降雨の予測精度の向上が今後、豪雨災害の軽減につながると説明しています。