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認知症になっても安心できるまちへ~社会とつながり孤立感を防ぐ取り組み~

2025年4月19日 5:00
認知症になっても安心できるまちへ~社会とつながり孤立感を防ぐ取り組み~

高齢化が進み、認知症患者の数が年々増えています。国は団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年には認知症の患者が584万人あまりに上るという推計を出しています。これは高齢者の約15%。6.7人に1人にあたります。町民の半数が高齢者の錦江町は「安心して認知症になれるまち」を目指し新たな取り組みを進めています。

■認知症と向き合う夫婦

錦江町に住む今熊 登さん(74)8年前、脳梗塞を発症し、その後、認知症と診断されました。長年自動車学校に勤め、周りを笑わせるのが好きな明るい性格の登さん。認知症の影響で思ったことを言葉にすることが難しくなりました。

(妻・千和子さん)
「本人も言葉が出ないから私にどうして伝えていいのかちょっと、腹が立ったみたいな自分で、ちょっと怒ったような感じすることも多くあった」


登さんの日課は散歩。散歩のついでに自宅の横にある畑で育てる野菜の様子を見に行きます。高菜やネギ、ブロッコリーなど季節ごとに様々な野菜を育てるのが夫婦の楽しみの一つです。

(記者)
「登さん今、植えているの何ですか?これ何ですか?
(登さん)
「これは…あれよ…。なんけ…」
(千和子さん)
「漬物にする」 
(記者)
「白菜?」
(登さん)
「名前を忘るっどなあ」

登さんが難しいことは妻の千和子さんがサポートしながら日々の生活を送っています。千和子さんが働きに出ている間は登さんが家事をすることもあります。

(妻・千和子さん)
「優しく厳しく。厳しくは自立してもらうために、自分のことも自分でしてねっていう
ように私も言っています」

「できることは自分でする」千和子さんが、この考えに至ったのは町の取り組みがきっかけでした。

■社会参加を促す錦江町の認知症カフェ

認知症患者やその家族、地域住民が意見交換や交流する場として全国的に広がっている「知症カフェ」認知症について相談をたり趣味や講座などを楽しめるのが一般的ですが…。錦江町の認知症カフェは一味違うのです。

ゲストハウスに集まった認知症の患者たち。

(スタッフ)
「今日は社会とつながる、働くカフェです」

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