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「物言わぬ語り部」…津波にのまれ殉職した警察官 弔うお地蔵様 #知り続ける

2025年3月5日 19:41

すごい形相で避難呼び掛けてた…

千田さんは、住民の命を守ろうとパトカーで沿岸部へ。

治雄さん
「すごい形相で、避難を呼び掛けてた。最後は命令するような形で。自分の命をかけて呼び掛けたんだと思いますよ」

避難を呼び掛け多くの命を救った千田さんは、このお地蔵さまが立つ場所の近くで発見されました。

震災から14年。心のどこかに千田さんを思う気持ちが残るのは住民だけではありません。

無念、あの一瞬で…

菅原仁刑事官
「あの一瞬で…亡くなるのが残念無念でならない」

今でも思い出せば、こみ上げる気持ちを抑えられないほどの経験でした。
震災当時、気仙沼署に所属し、千田さんと同僚だった菅原仁さんです。

辛い記憶にフタをしていましたが、退職を前にした今、自らの経験を次の世代に伝えなければという思いに変わったと言います。

菅原仁刑事官
「震災を経験していない警察官が4割を超えている状況、 震災を経験していても風化を懸念される状況にある。体験したものが伝える責任を感じる」

会場に集まった多くの若手警察官らを前に、菅原さんは当時のことを語りかけます。

菅原仁刑事官の講話
「私は刑事でしたんで、検視を担当しました。ご遺体の収容所として指定された学校の体育館は、1日でいっぱいになりました。刑事としてご遺体を見ることには、慣れていました。 しかし、次から次へとご遺体が収容されてくる。残された家族を目の前にすると、さすがにグッとくるものがありました」

遺体安置所で再会する…

千田さんと再会したのは、遺体安置所となっていた体育館でした。

菅原仁刑事官の講話
「私が検死しました。本当にその顔はさぞかし無念だったという記憶です」

震災を経験していない若手の警察官に、菅原さんは伝えたいことがあります。

菅原刑事官
「警察官が亡くなれば、救える命も救えないんだよと。明日からの治安を誰が守るんだ。若い人たち君たちの命も、君たち自身、両親、家族、交際相手等々大切な命なんです。災害の犠牲にならず、必ず生きよ」

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必ず生きよ、受け継いだメッセージ
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