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【全文掲載】事故から20年…遺族の思い、飲酒運転の車が突っ込み仙台育英の生徒18人死傷

2025年5月22日 19:30
【全文掲載】事故から20年…遺族の思い、飲酒運転の車が突っ込み仙台育英の生徒18人死傷

2025年5月22日。
宮城・多賀城市の国道で、飲酒運転のRV車が仙台育英高校の生徒の列に突っ込み、18人が死傷した事故から、20年です。
事故で娘を亡くした細井実さんの現在の思いです。

◆【現在の気持ち】
「5月14日は母の日でしたが、恵から妻へのプレゼントが届くことはなく、『ありがとう』という言葉を聞くことはできませんでした」
事件から1年後に綴った手記は、こんな言葉で始まります。

今年の母の日は5月11日でした。
当然と言えば当然ですが、恵からのプレゼントが届くことはありませんでした。「ありがとう」という言葉を聞くことも出来ませんでした。

時間とは残酷なものです。
事件から20年も経ってしまいました。
その分、今生きている私たちは年齢を重ねて老いていかざるをえません。

しかし、恵の時間は20年前に留まったままです。
いや、事件によって奪われた命とともに、奪われたまま戻ってくることは無いのです。

事件の前日に駅まで見送ったのに、その時恵の後ろ姿を黙ってみていただけの自分に深い後悔を抱えたまま、生きているのです。

手記は「いつか神が涙をぬぐってくれる時が来ることを信じて、少しでも前を向いて生きていきたいと思います。」という言葉で終わっています。

そのような時が、いつ訪れるのか。
でも、信じて待つより道は無いのです。

◆【飲酒運転事故が後を絶たない状況についての気持ち、また飲酒運転という社会問題についての考え】
5月22日が来るのを嘲笑うように、飲酒運転による大きな事件が連続して起こりました。

ただ唖然として、なんと愚かな、情けないことだと思いながら、悔しさや、怒りがこみ上げてきます。

してはいけないことだと理解はしていても、一時の迷いや油断、過信等が飲酒運転をさせてしまっているの
でしょうか。

事件の当時から「危険運転致死傷罪」の適用についてあいまいであると、指摘されていました。
裁判でもこのことが争われましたが、伴走していたり、先行していたりした運転手が具体的な証言を行い、
危険なことを認識しながら運転していたことが証明できたことで、「危険運転致死傷罪」が適用されたのです。

当時は「刑法」の規定でしたが、現在は「自動車運転処罰法」の規定となっています。
適用要件が変化しているのかもしれませんが、「正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる」との
規定は変わりません。

あくまでも危険な状態を認識し、あえて運転し致死傷させたことが証明されなければならないのです。
だとすれば、他の暴走行為等とは別にして、例えば「飲酒運転による致死傷罪」を規定し、どのような状態であれ、運転が困難であったかを問わず、飲酒運転で事故を起こせば危険運転致死傷罪と同等の刑罰に課すとすれば良いと考えています。

運転するのは人間です。
人間は不完全であり、過ちは誰でも犯す恐れがあるわけです。
ですから、飲酒運転は犯罪である。
殺人や傷害と同じ犯罪であるとの認識を、社会のモラルの一つとしてだれもが良心に留め、過ちを犯すことなく生きていって欲しいと思います。

最終更新日:2025年5月22日 19:48
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