100年続く老舗製造所の女性「しょうゆ ものしり博士」任命 食育として“香りや味”魅力の伝承《長崎》
日本の食文化に欠かせない 『しょうゆ』。
"受け継がれてきた味を大切にしたい"
老舗製造所で働く女性が、100年続く味を守り受け継ごうと奮闘しています。
林 温子さん 34歳。
バッグのなかには、小麦や、大豆が入った瓶。
そしてトレーも準備し、白衣に身を包んだ林さん。
そして、話し始めたのは…。
(林 温子さん)
「この1本にはどれだけの思いが詰まっているのかを、みなさんに教えられたらと思って」
しょうゆ作りへの思いです。
林 温子さんはその名も “しょうゆ もの知り博士” 。
食育として、しょうゆの作り方などを教えることでその魅力を伝えています。
(林 温子さん)
「おいしいものを食べるとき、人は笑顔になる。食育を通じて、いろんな人にその思いを伝えていけたらいい」
島原市北門町にあるのが、今年、創業107年を迎えた老舗しょうゆ製造所『林醤油本店』です。
「濃口」「薄口」「刺身用」など、8種類のしょうゆを自社で製造し販売しています。
林さんは実家の店を継ぐため、10年前ほどから働いています。
(林 温子さん)
「刺身醤油(がおすすめ)。九州特有のトロっとした甘みのあるしょうゆで、その味はずっと受け継いでいる」
(島原市民)
「刺身醤油は甘みがあるから、こればっかり。しょうゆもずっとマルハヤシを使っている」
地元の人にも長年親しまれてきた「マルハヤシ」の味。
今では、接客や経理、営業など多くの仕事を任され、5代目の母・りえさんを支えています。
(林 温子さん)
「小さいころから手伝っていた。お店で買われる人の笑顔など、いろいろコミュニケーションをとって、すごく楽しい」
(林 温子さん)
「ここがうちの工場です」
大豆、小麦、食塩を主原料とする発酵調味料 “しょうゆ”。
蒸した大豆と、火入れし炒った小麦に麹菌を入れ、塩と地元の湧水で混ぜ「もろみ」が作られます。
気温、湿度などの環境や熟成期間によって、その店ならでは味に。
もろみを約半年かけて、発酵・熟成させます。