愛媛滞在の外国人観光客に「ナイトタイムエンターテインメント」で道後の新たな夜の楽しみ方を提案

1053万7300人。こちらはきのう観光庁が発表した、今年に入って先月までに日本を訪れた外国人観光客の数です。去年の同じ時期よりおよそ200万人増えていて、過去最も早いペースで1000万人を突破したということです。
増加する外国人客をどう愛媛に取り込むのか…キーワードは「夜」です。
和氣アナ:
「午前10時の道後温泉本館前です。耳をすますと、外国の言葉かな?というのをよく耳にしますね。あちらの方も、どちらからいらっしゃったんでしょうか?」
きょう午前県内最大の観光地、道後を訪ねると…朝から様々な国や地域からの観光客が。
男性:「韓国」
男女:「台湾の台中」
男性:「スイスに住んでます」
女性:「チェコ共和国から。とても楽しんでいるわ。問題があれば誰もが喜んで助けてくれる。とても親切で優しい人たちね」
男性:「食べ物がおいしいし、いい人たちだね」
女性:「あなたピザしか食べてないじゃない。向こうにあるお店で食事してすごくおいしかったけど、彼はピザしか食べてなかったわ」
男性:「イタリア人だからね」
一方で、こんな声も…
(香港から)
男性:「夜」
女性:「お店が閉まるのが早かったわ」
道後人力車 元祖くるまやさん 車夫 高橋孝伯さん:
「道後オンセナートとかで夜の飾りとかが綺麗だった頃は、たくさん来てそれを見に、と夜の散策の方多かったように思うが。コロナから後、そこが復活できてないなとずっと感じている」
滞在中の“夜”の娯楽です。実際、夜に道後を訪れてみると…
和氣アナ:
「時刻は午後9時なんですが、商店街のお店はほとんどシャッターが下りて、寂しげな感じがしますね」
商店街周辺には、娯楽を求めて歩き回る外国人客の姿が。
その数時間前、道後商店街にほど近いホテルでは…能舞台を見渡す和室で春を感じさせる色合いの弁当とお酒を楽しむ人たち。と、はじまったのは…狂言「清水」の公演。ほかにも、芸妓衆による踊りや三味線と尺八、お琴の競演も。
愛媛の芸術と文化の振興協議会 門屋光彦 代表理事:
「ナイトタイムエンターテインメント。ナイトタイム。道後のナイトタイムをぜひインバウンドで世界中のいていただいた方々に日本の、愛媛の芸術文化に触れてほしい」
日本の、そして愛媛の伝統芸能を守り、道後の新たな夜の楽しみ方を提案しようと、去年設立された協議会が開いた公演です。
一番の見どころは、松山を拠点に活動する大衆演劇のステージ。松山市内を中心に集まったおよそ80人が幻想的な春の一夜を楽しみました。
参加者は
男性:
「面白かった。よかった」
女性:
「狂言とか能とかすごく、言葉が分からなくても分かる人が多い。芸術は世界共通」
男性:
「(愛媛に来てもらう)きっかけとしてはすごいいい機会なんじゃないか」
女性:
「初めて海外から来た人が文化に触れてもらえるというのはすごくいいことだと考える」
道後のホテル・旅館の関係者も期待を寄せます。
プリンセストラベル 河内広志会長:
「ツアーに組み込んだ商品造成とか、もっともっとSNSで発信して、例えばパリのムーランルージュのように、松山・道後に行けば夜の最大の楽しみ方がありますよということにすれば、訪日客の感動体験がさらに進捗して、成熟すると思う」
協議会ではインバウンド客向けの商品化を目指し、季節ごとに公演を重ねることにしています。