藤井貴彦アナが「防災フェス」に登場 “報道キャスターが見た被災地”テーマに講演

18日、南海放送など地元メディア3社が共同で開催した「メディアまつり」。news zeroの藤井貴彦キャスターがゲストとして登場し、東日本大震災の取材経験を講演しました。藤井キャスターが「語ったこと」とは。
藤井キャスター:
「今ここで震度6強が起きた時に皆さんどうしますか?と考えると、多分準備されてないんですよね」
藤井キャスターは南海放送で開催された「防災フェス」に登場し、「報道キャスターが見た被災地」というテーマで講演を行いました。
東日本大震災では発生直後から被災地に入り、現地で取材を続けた藤井さん。印象に残っているのが避難所に身を寄せる被災者の気持ちの変化だと言います。
藤井キャスター(発生1週間後について):
「(避難所では)プライバシーがほとんどありませんでしたが、皆さん思ったより冷静だったんですね。それでも子どもは元気なんですよ。そうすると子どもが走り回って騒ぎまわってみんな避難してるのに、ちょっとイライラ始まってくる。お互いがどう振舞っていいのか(分からない)」
時間が経過するにつれ被災者の心境にはさらなる変化が…
「(変わらない状況に)だんだん不安や苛立ちが募ってきます。子どもへの視線が厳しくなる。さらにプライバシーの確保が難しくなりました。なので私たち被害を伝えるマスコミもかなり厳しい状況にありました」
被災地における“マスコミの存在”。取材を通じて藤井さんが導き出した答えは。
「この取材は被災地の復旧に生かしている軸を忘れない。いい映像が悲惨な映像ではないということを私たちは肝に銘じながら取材を続けていました」
これまで様々な災害現場での取材を経験してきた藤井さんが考える「自然災害から命を守る」方法は。
「百何年かのたった1週間命を守れれば、災害から逃げることができます。その瞬間に命があればいい。それくらいの心持ちで準備してください」
「家族と方向性を確認すること。もちろん家族だけでなく、友人でもいいです。方向性をぜひ確認してもらいたいと思います」
さらに、もしもの際に後悔しないために、日頃から周囲の人に思いを伝えることも重要だと言います。
「思いって心の中にとどめておいたら絶対相手に伝わらないので。ありがとね、幸せだよって今が幸せであるということを災害の前に伝えておいてください」
「たった10分で1週間生き延びたら100年に一度の災害はみなさん避けられます。その、たった10分の準備をしておかないと、少し悲しい思いが増えますよということを皆さんにお伝えして、ご清聴ありがとうございました」
参加者:
「準備は結構していたので、省いていいものは省いて、新しく必要かなとか新しく知ったことに関しては参考にして準備していきたいと思いました」
参加者:
「今、子どもも進学してバラバラになっていて、(災害時に)どうするのかまだ決めていなかったので、帰ってシミュレーションしたいなと思いました」