「動物福祉」でどう変わる?動物たちがストレスフリーに過ごすために…動物園・畜産業の取り組みとは
「若くて好奇心も旺盛なので、来たい時には人間の方にも来るし、別にそういう気分じゃない時は木の陰に隠れたりとか、高いところで休んだりして“選べる”というのはすごく大切なことで」
気持ちを言葉で話せないからこそ、動物福祉を実践する上では選択肢を増やすことが重要だといいます。
望ましい環境が作れない場合は“飼わない選択”も
こちらには、3年前までトラではなく、ライオンが暮らしていたそうですが…
山梨さん:
「京都市動物園ではもうライオンは飼育しないという方針に転換しています」
本来群れで暮らすライオンにとって、十分な広さを確保できないなど、望ましい環境を作るのが難しいことから、飼育をしないことを決断。
実は動物にとってはストレスだった!「ふれあい体験」を学び中心のプログラムに
さらに、現在推し進めているというのが…
山梨さん:
「少し前までここはふれあいルームっていうお部屋の名前になってまして、テンジクネズミとかウサギを触るプログラムをやる場所でした。触るだけが目的になってしまったとしたら、動物にとってもそんなに嬉しくない」
3年前、コロナの流行を受けて触るプログラムを中止したとき、テンジクネズミの診療件数が減少したのです。触られることでテンジクネズミがストレスを感じてしまっている…
そこで誕生した、新しいプログラムが!
担当者:
「これから“テンジクネズミのすきをMIKKE”始めていきます。これから皆さんにはここにいる テンジクネズミさんのお部屋を作っていただきます」
参加者はテンジクネズミの原産や人間との関係を学んだあと、部屋のレイアウトに挑戦します。
青木アナ:
「山岳地帯に住んでたってことはごつごつしててもいいんじゃなかろうか」
テンジクネズミの暮らしぶりを想像しながら、平坦な空間にならにように配置してみました。
果たして、気に入ってくれるのか!?
青木アナ:
「あ、来た!この不規則な配置に反応してる。ここのトンネル通ってくれてる。嬉しい!」
テンジクネズミはトンネルがお気に入りの様子。穴に身を隠す習性が関係しているようです。
青木アナ:
「かわいいだけじゃなくてどんなことが好きなんだろう、どうやったら快適に過ごせるん だろうって、深く考えるきっかけになりました」
ストレスは小さく、学びは大きく。MIKEEルームは、今後展示物を増やし、2023年度中により学べる空間として生まれ変わるそうです。
山梨さん:
「もう今はどの分野でも動物と関わる上ではその動物福祉に配慮するっていうのは大きな流れになっています」