×

プール授業中の事故で小4男児死亡 なぜ事故は起きたのか【高知】

2024年7月8日 19:13
プール授業中の事故で小4男児死亡 なぜ事故は起きたのか【高知】
7月5日、高知市の南海中学校のプールで水泳の授業中だった小学4年生の男子児童がおぼれ、救急搬送先の病院で死亡する事故がありました。
命を守る術を教える水泳の授業でなぜ児童が命を落とさなければならなかったのか、学校や市教委の判断や対応に不信感が広がっています。

高知市 松下整教育長
「児童のご冥福をお祈りするとともにご家族、ご親族の皆様に深くお詫び申し上げます」

5日午前11時ごろ、高知市の南海中学校のプールで水泳の授業中だった近くの長浜小学校の4年生の男子児童がおぼれその後、救急搬送先の病院で死亡しました。

長浜小学校は今年、授業開始日の前日にろ過ポンプの故障でプールが使用できないことが発覚。修理に期間を要することから4年生から6年生までは近くの南海中学校で水泳の授業を行うことになっていて、4年生はこの日が今年度3回目の授業でした。

事故当時の状況はプールに36人の児童がいて、水泳が得意なグループ10人が25メートルを泳ぐ練習をし、教頭がプールサイドで指導していました。またそのほかに水泳が不得意な2つのグループがあり事故当時、女子グループ12人はプールサイドで休憩中。男子グループ14人がプールサイドをつかんでバタ足などの練習をしていて、担任2人がプールに入って指導していました。男子児童はバタ足の練習中におぼれたとみられていて、近くにいた別の児童2人がプールサイドに引き上げました。男子児童の意識や呼吸はなく、小・中の教員がAEDで措置し教頭が119番通報しました。

教員3人は、事故当時の状況を誰も見ていなかったといいます。

中学校のプールの水深は深いところで132.5センチ。一方、小学校は119センチと10センチ以上の差がありました。同級生の保護者によると男子児童は小学4年生の平均身長に満たない120センチ未満の小柄な身長だったということです。

6日朝、高知市教育委員会は児童の死亡を受け、会見を開きました。

高知市 松下整教育長
「長浜小学校とはプールが使用できないと分かった時に何度もやり取りを重ねてきた。今となってはであるが、ほかの方法をとることができなかったと悔やむばかり。小学生を中学校のプールで泳がせるという判断を私が行ったこと、結果として教師が水の中で沈んでいる子どもを見つけることができない監視体制だったこと。私がいま責任を感じているのは大きく2つ」

長浜小学校は、6日午後3時から保護者説明会を行う予定でした。しかし、遺族から「まだ十分な話し合いが出来ていない」と抗議があり、開始直前になって急遽延期されました。

「遺族とは、別でしっかり話す機会を」という理由から学校は遺族に保護者説明会の案内を送らず遺族以外に案内を送っていました。
その後、長浜小学校の中村仁也校長が会見を開き「事故」と「説明会」の対応の不備についてそれぞれ謝罪しました。

長浜小学校 中村仁也校長
「本校の水泳の時間内に児童がおぼれて亡くなるという、取り返しのつかない事故が起きてしまったこと。児童とご家族ご親族の方に本当に申し訳なく思っている。月曜日から子どもたちは学校に登校する。保護者の方々も今回の事故について経緯など説明がなされるべきだと考える。そこのタイミング、早いタイミングで知らせようという考えと保護者の気持ち含めて話がしっかりと出来ていなかったのに、保護者会の予定を組んでしまった。順番が違う。申し訳なく思っている」

学校には説明会開催の連絡を受けて86人の保護者が集まっていました。保護者からは「残念。言葉が見当たらない」「どうして3人もいて。3人で足りたのかというのもある」と話していました。

死亡した男子児童の同級生の保護者は。

4年生の保護者
「保護者、生徒の方に心配、不安な気持ちにさせて申し訳ないという謝罪が校長先生からあった」「子どもが言うには一緒にゲームして遊んだりとか運動、サッカーが好きな子だったというのは聞いている」「まさかそういうことがあるとは思っていないので、いくら説明を聞いてもどうしてということしか出てこないと思う」

7日、高知市教育委員会は臨時の校長会を開きました。出席したのは事故対応中の長浜小学校を除く60の高知市立の小中学校の校長などです。会の中で松下整教育長は今年度の水泳授業について中止の方針を伝え、参加した校長から反対する意見はなかったということです。市教委は今後、第三者委員会を設置して事故の検証を行うとともに今後の授業のあり方について指針となるマニュアルを作成していくとしています。

松下整教育長
「今年度の水泳授業については中止をお願いしたいということを言いました」

8日朝、長浜小学校の中村仁也校長は全校児童に向けた校内放送を行いました。子どもたちに事故の報告とともに、一番安心して過ごせるべき教育現場でこういった事故が発生したことへの謝罪と教員の信頼を取り戻すよう再発防止を徹底することを伝えました。長浜小学校によりますと、8日は心理士やカウンセラーによるメンタルケアも行われていて事故を受け不安を抱えている児童への対応に取り組むということです。

命を守る術を教える水泳の授業でなぜ児童が命を落となさければならなかったのか、学校や市教委の判断や対応に不信感が広がっています。

プールの老朽化問題への対応の中で起こった今回の事故。早期の原因究明と対策が求められます。

4年生がこのプールの授業を行うのは事故当日が3回目でした。実はこれまでの2回で当該児童が不得意なグループの中でも泳ぎが不得意な子どもだったと学校側は認識していたということです。高知市教育委員会は臨時の校長会を開き高知市立の学校の水泳授業を今年度は中止することを決めています。
高知放送のニュース