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水泳の授業中に起きた死亡事故はなぜ起きたのか 水難事故の専門家に聞く【高知】

2024年7月8日 19:13
水泳の授業中に起きた死亡事故はなぜ起きたのか 水難事故の専門家に聞く【高知】

命を守るためのはずの水泳の授業中に起きた今回の事故。一体なぜ起きてしまったのか、水難事故に詳しい専門家に話を聞きました。

全国で発生した水難事故の調査や再発防止の研究を行う水難学会の理事で長岡技術科学大学教授の斎藤秀俊さんは学校でのプールの事故が授業中に起きたことは全国的にも稀なケースだといいます。

斎藤教授
「8月だと学校でプール開放をやっている。そのプール開放の時に起こる事故というのが小学校中学校のプールでは比較的多い。どちらかというと授業中に何らかの水難事故が起きたというのはかなり限定的というか稀」

「(小学4年生が中学校のプールで泳いでいて起きた事故について)被害児童の身長が公開になっていない今の時点でプールの深さが適切だったかどうか、あるいは中学校のプールの利用が適切であったかどうかということについては今の段階の情報では何とも言えない」

今回の事故は長浜小学校のプールのろ過ポンプが故障し代わりのプールを利用するなかで発生しました。斎藤さんによると学校での代替プールの利用は全国的に増えているといいます。

斎藤教授
「全国の小学校でポンプが故障したとか水漏れがひどいとプールを使うのを断念している小学校が多い。そこが近隣の中学校、スイミングスクール、公立のプールといったものを代替的に使うという動きが全国的に進んでいる。そういったなかで代替プールの安全性って本当にどうなのかということを全国の人が見ているような状況。まずはやはり事実をしっかりと確認していくことをやっていかないとだめ」

「(代替プールを使用する場合に配慮すべきことは具体的にどんなことがあげられるか?)配慮すべきことで言えば子どもたちを(プールに)入れる前に先生たちが中に入っていろいろ確認すること。例えばどの位置から子どもたちが見えづらくなるとか、あるいはどういったところに行くと子どもたちに危険性が及ぶかとかいうようなことをあらかじめ検証することが重要」

また児童36人を教員3人で見ていたという人員配置について、斎藤さんは人数は適正と考える一方で、状況に応じた監視のポイントが把握できていたのかが重要だと話します。

「人員配置で単純計算すれば1人が12人を見る勘定になっている。数字の上で言えば適正な監視の人数だった。ただ監視をするポイントというか、そこが重要。監視のポイントというのはプールに応じてあるし、そういうところは子どもたちを(プールに)入れる前に確認しないといけない。そういうところは一般的にもう一歩考えないといけないところ」

今回の事故は2コマ連続で水泳の授業を行うなかで発生しました。一般的に子どもたちの疲労の度合いを見るには3つのポイントがあるといいます。

「一般論でいうと子どもの疲労が蓄積してきたな、というサインというのは例えば唇が少し紫になってくる。チアノーゼ状態というが、そういった症状が出てくる。これは顔を見ればすぐわかる。それからガタガタ震えはじめる、これはもう体力がなくなっている証拠。それから小学生ではあまりないが中学生くらいになると足がつる。水泳の指導中で『この子疲労が蓄積しているな』と見るのはその3つ。そういった状況が出てくればすぐにプールサイドに上がってもらってタオルで保温するというのが水泳の常識。学校でもそういうような形で疲労のみられた子どもに対処していると思う」

市教委は事故を受けて市立学校のプールの授業を今年度は中止にすると発表しました。斎藤さんは代替プールの利用の仕方を含めて安全性についてしっかり検討してほしいと話します。

「代替プールを使うというのがいま世の中の流れになっているからそういった意味では代替プールを使うということでの危険性あるいは気をつけるべきことというのをしっかりと情報として確認をしてそれから(水泳授業を再開する)という順番でいいと思う。子どもたちのプールだから子どもたちが安心して水泳を学べるような環境とは一体どういうことなのかということを、もう一回あらためて確認してもらい、そういった調査結果を出してもらえたら」

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