【ツガワの目】「every.しずおか」津川祥吾アンカーの目線で話題検証…第7回テーマ「学校の防犯対策の現在地」(静岡)
先週、東京・立川市の小学校に男2人が侵入し教員ら5人がけがをした傷害事件。男2人は正門を通り、校舎と体育館をつなぐ通路から教室へ向かったとみられ、当時、正門にも通用口にも施錠はされていませんでした。
(小学3年生の保護者)
「こんな身近でこんなことがあると不安」
幸い児童らにケガはありませんでしたが、男2人は簡単に2年生の教室まで侵入してしまう事態に…。学校の防犯対策への課題が浮き彫りとなりました…。
一方、静岡・袋井市では…。
元警察官が学校に対策をアドバイス「スクールガードリーダー」とは?子どもたちの安全を守るため、どのような対策が必要なのでしょうか?
(スタジオ解説)
(津川 祥吾 アンカー)
このコーナーでは日々お伝えしているニュースの中から私、津川の目線で選んだ話題を取り上げるというコーナーです。
今回のテーマはこちら。「学校の防犯対策の現在地子どもの命、本当に守れるのか!?」
立川市の事件を受け、改めて対策について注目が集まりましたが、「学校の防犯対策」に大きな影響を与えたのが2001年、大阪教育大学附属池田小学校で刃物を持った男が校内に侵入し、児童8人の尊い命が奪われた痛ましい事件でした。
その後も、学校に不審者が侵入する事件は起きています。
池田小学校の事件を受けて文部科学省は「学校の危機管理マニュアルの作成の手引き」を作り、全ての公立の学校でマニュアルの作成が義務づけらました。
今回、立川市の小学校でも侵入はされてしまったものの学校独自のマニュアルをもとに避難行動がとられていたとみられています。
それがこれ。
・男が侵入した2年生の教室では、まず「教員が児童を避難」させたといいます。
・さらに、男と児童たちをできるだけ離すため男ら会議室まで誘導しました。
・他の教室でも机やイスでバリケードが作られたといいます。
文科省によりますと「さすまた」はほとんどの学校で置かれているようで92.2%。防犯カメラの設置は64.6%。玄関にインターフォンを設置、60.2%。警備会社との連絡システムを構築している学校は60.2%でしたが、実際に警備員を配置は8,0%に留まっていました。
‟学校の防犯対策の実情”について常葉大学の木宮教授に聞いてみました。
(学校の防犯対策に詳しい”常葉大学 木宮 敬信教授)
Q.私立と公立の違いはどう感じる
「実際にはかなりあると思う」「私学の中にはかなりお金を使ってさまざまな対策をとっているところもあります」「公立の場合は一律の予算、自前のお金がほとんどありませんので、なかなかできることが限られてしまう」「学校に話を聞くと、こういうこともやりたいけれどお金がない、人手が足りない、 やりたいことができないの状況にあるのが確か」「そのハードルを下げて財源を確保して各学校が自前で 考えた取り組みが実現できるようにしてあげるということ」
木宮教授は、学校側が「防犯カメラの設置台数を増やしたり」「教室から職員室へ直接つながる非常ボタンの設置したい」など声があがっていると話しています。これには費用が必要で国が支援、対応するべきだと話していました。
すでに最新の警備システムを導入している大学もあるんです。
立命館大学「大阪いばらきキャンパス」では、2年前に「AI警備」を導入しました。防犯カメラ映像をAIが解析し「立入禁止区域への侵入」や‟通常時と違う動き”を検知するというものです。
ふらついている人物を検知したり、こちらは怪しい動きをしている人をAIが検知しています。
一方、防犯対策ではこんな取り組みもあるんです。
袋井市では「スクールガードリーダー」という方がいて、学校の防犯対策に一役買っているんです。VTRをご覧ください。
地域の人材を活用するケースもあります。袋井市の小学校で児童らの下校を見守る海野純さん78歳。
(袋井市スクールガードリーダー 海野 純さん・78歳)
「さよなら~ハイタッチ」
海野さんは元警察官。退職後、2006年から袋井市のスクールガードリーダーを務めています。「スクールガードリーダー」とは各自治体の教育委員会から委嘱されたいわば‟防犯の専門家”です。防犯教室で講師を務めたり、学校の防犯対策について具体的にアドバイスする役割を担い浜松市でも導入しています。
この日、海野さんは校長室で‟ある相談”を受けていました。
(校長)
「子どもの命を守ることが大前提なので、子どもたちに自分で自分の命を守るための動きをちゃんとやるということを早急にやりたい」
(袋井市スクールガードリーダー 海野 純さん・78歳)
「子どもの命をどうやって守るの か自分(教員)たちが真剣に危機感を持って対応できるかどうか」
この小学校では、立川市の不審者侵入事件を受け「マニュアル」を見直そうと考え、海野さんに相談していたのです。
(袋井市立山名小学校 鈴木 季代子 教頭)
「早期に動かなければならない時に海野さんに相談すると、『こうやってやるといいぞ』とすぐ言ってくれるので」「今まで何度も助けられている」
海野さんはこれまでも、自ら小中学校を見て回り、周りを囲うべきフェンスが中途半端に途切れてしまっていた学校には設置をするよう促したり、また、‟侵入を抑止する看板”を設置するようアドバイスをしてきました。
(袋井市スクールガードリーダー 海野 純さん・78歳)
「(あるかないかで)大違いなんですよね」「立ち入りができないという状況下で跨いで入るとなると不法侵入と言える」
さらに、防犯カメラの設置場所についても元警察官の目線で、アドバイスしてきたといいます。
(袋井市スクールガードリーダー 海野 純さん・78歳)
「職員の危機管理がどれだけあるのかに尽きる」「校長教頭がいくら危機管理意識 を持っていても、他の職員が関係 ないという思いがあると子どもの命は守れないと思う」
(津川祥吾アンカー)
今回の取材で、安全対策は遅れていると言わざるを得ない。なぜ遅れているのか。私はこう感じました。
「安全対策 国と学校のギャップを埋めよ」
‟ギャップ”は 提言は
・‟申請の壁 → 申請なし一膣支援
・補助対象の制限 → 補助対象を拡大せよ
・維持費用は自己負担 → 維持費にも補助を
※詳細は動画参照