静岡市内で複数の飲食店を経営する男性の遺体が遺棄され男女3人が逮捕された事件で、遺体を車で藤枝市内の山中に遺棄する前、掛川市などに移動していたことがわかりました。

6月ごろ、藤枝市内の山中に、会社役員・仁藤貴之さんの遺体が遺棄されたとみられる事件。この事件を巡っては、12月7日、死体遺棄などの疑いで、会社役員の鈴木聖人容疑者、飲食店店長・三宅涼馬容疑者、アルバイト店員の19歳の女の3人が逮捕されました。

知人などによると、静岡市の繁華街などで複数の飲食店を経営していたという仁藤さん。逮捕された3人とは知人同士で、鈴木容疑者は仁藤さんの会社で役員を務め、三宅容疑者は鈴木容疑者の経営する飲食店の店長。19歳の女は鈴木容疑者らが経営する飲食店で、かつてアルバイトとして働いていたといいます。仁藤さんと鈴木容疑者との関係について知る人は。

（2人を知る人の話）
『鈴木容疑者を逮捕前日に見かけた』『仁藤さんが指示役で、鈴木容疑者が“キャッチ”の統括をする上司と部下のような関係だった』

捜査関係者などへの取材で、事件の経緯が少しずつ明らかになってきました。5月20日、仁藤さんは近隣住民に目撃されていました。

（仁藤さんを知る人）
「最後に、5月20日近辺に三人で店に来て」「『今から京都にいってきます』など言ってそれが最後」

6月下旬、ワゴン車に乗せられた仁藤さんの遺体は、藤枝市内の山中に遺棄されたとみられていて、その後、ワゴン車の清掃が静岡市内の業者に依頼されていました。10月2日、母親から、「息子と連絡が取れない」と、行方不明者届が警察に出されたことで事件が発覚し、警察は関係車両を押収しました。

これは、母親の通報があった10月2日、仁藤さんの自宅が映る防犯カメラの映像。自宅前にはパトカーや警察官の姿がありました。捜査関係者によりますと、押収した車のカーナビから遺棄現場が判明したほか、車内からは仁藤さんのものとみられる血液反応がありました。捜査関係者によりますと、仁藤さんの遺体は焼かれた可能性があり、鈴木容疑者ら3人は、遺体を藤枝市内の山中に遺棄する前、掛川市内など県西部方面に移動していたことがわかりました。

警察は、仁藤さんと3人の間に何らかのトラブルがあったとみて、殺人容疑も視野に捜査しています。