難航するトンネル工事 札幌延伸延期…まちづくりへの影響は?JR北海道にも打撃 北海道新幹線
新函館北斗から札幌までは延長212キロ、その8割を占めるのが17本のトンネルです。
このうち、渡島トンネルでは軟弱な地盤の影響で工事が難航。
羊蹄トンネルでは2021年に巨大な岩が立ちはだかり、掘削が一時中断しました。
建設を進める鉄道・運輸機構は2024年5月、複数の工区で最大4年の遅れが発生したことなどを理由に、2030年度末の札幌開業が極めて困難と発表しました。
しかし、羊蹄トンネルはいまも難工事が続いています。
(鉄道・運輸機構 後志建設事務所 上松苑工事長)「ここからがシールドマシンになります。ここから先は本当に狭いところになります」
羊蹄トンネル有島工区の入り口から2.5キロの地点にあったのは、トンネルを掘るシールドマシン。
掘削で出てきた土砂を運ぶベルトコンベアや、トンネルの壁を作るためのコンクリートの配管が設置されています。
さらに進むとー
(鉄道・運輸機構 後志建設事務所 上松苑工事長)「ここはシールドマシンの先端部になっていまして、ここの壁より先が地山、山になっています。ちょうど目の前、数メートル先で岩塊、もしくは岩塊群がぶつかっていてトルクの上昇が発生していますので、岩塊の撤去を行っているような状況」
羊蹄トンネルの両側、有島工区と比羅夫工区から掘り進めていますが、2021年に比羅夫工区で巨大な岩が見つかり掘削が停止。
反対側の有島工区でも岩が相次いで見つかり、掘削できない状況が続いています。
(鉄道・運輸機構 後志建設事務所 上松苑工事長)「取り出した岩のごく一部なんですけど、大きい岩塊をいま置いている。かなり硬い安山岩で、こういった硬い岩塊ですと、大きさも含めてシールドマシンで掘削することが難しいので、事前に撤去している。この辺で98か所あって、そこの岩塊を全部取り除いている」
現在、直径2メートルほどの筒を地上から地中に入れて、岩を真上から除去する作業が続けられています。