高校生殺人…当時19歳・小西優花被告初公判 手紙に認めた「止めていれば」最大争点は「量刑」
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道内で初めて実名が公表された特定少年の裁判が始まりました。
2024年4月、旭川市の神居古潭で、女子高校生を殺害した罪などに問われている当時19歳の女の初公判が開かれ、女は「間違いないです」と起訴内容を認めました。
旭川市の郊外にある景勝地・神居古潭。
当時17歳の女子高校生の命はこの場所で奪われました。
「間違いないです」
被告の女は正面を見ながら、高くか細い声で起訴内容を認めました。
裁判前の旭川地裁。
全国的にも注目された事件とあって、傍聴券を求める市民が続々と訪れました。
(旭川市民)「どうしてあんなひどいことをしたのか聞きたかった」
(記者)「事件当時のことを覚えていますか?」
(旭川市民)「覚えてます覚えてます。びっくりしました。若いのに」
殺人などの罪に問われているのは、当時19歳だった小西優花被告。
「落ちろ」「死ねや」
起訴状などによりますと、小西被告は2024年4月、旭川市の神居大橋で、留萌市に住む17歳の女子高校生を橋の欄干に座らせて川に落とし、殺害した罪などに問われています。
この事件に関わっていたのが、ともに殺人などの罪で起訴されている内田梨瑚被告。
事件の発端は被害にあった女子高校生が、内田被告がラーメンを食べている写真をSNSに無断で掲載したという一見、ささいな理由でした。
内田被告に先駆けて始まった小西被告の裁判員裁判。
裁判長から起訴内容と違うところはありますかと問われるとー
「間違いないです」
起訴内容を認めました。
裁判の最大の争点は、犯行に対する「量刑」です。
これは2024年12月、弁護人が公開した小西被告の手紙です。
そこには自身の行動を悔やむ気持ちが綴られていました。
(手紙)「事件のあった日のことを思い出したりすると、本当に取り返しのつかないことをしてしまって。リコさんのことを止めていれば、このようなことにならなかったはず」
几帳面な文字からは凶悪犯罪に関わったとは想像できませんが、小西被告の知人は普段から問題行為が続いていたと話します。
(小西被告の知人)「(高校時代に)友達のロッカーを蹴ったり、教科書を川に流したり、自転車のサドルを盗んだり」
(小西被告の知人)「人に流されやすくて、自分中心な人」
今回の裁判で検察は「監禁、殺人など、中核的に実行し、内田被告と同等の役割を主体的に果たした」と主張。
一方、弁護側は「積極的ではなく、従属的な関与だった」と情状酌量を求めました。
双方の主張について元検事の中村弁護士はー
(中村浩士弁護士)「主犯は内田被告だったとしても、それに追従して必ずしも消極的な態度を示すものではなく、それ相応の刑罰を受けるべきといった情状立証を重点的に検察はやってくると思います。それに対して弁護側としては少年心理特有の集団心理であったり、(内田被告が)かなりやらされた側面が強いんだと。そういう情状立証をしてくることが予想されます」
先週、私たちは小西被告に手紙を書き、被害者に対する思いを聞きました。
小西被告は弁護人を通して「被告人質問の中で話します」と落ち着いた様子で答えたということです。
今後の裁判で小西被告がどのような発言するのか、注目されます。