あなたは何と読む?札幌市豊平区の「水車町」 地名の読み方を変えたい!と町内会が要望書提出
地名の読み方を変更してほしいとの声が上がっています。
札幌市豊平区の町内会が27日、札幌市に要望書を提出しました。
なぜ地名の読み方を変えたいのかー
理由を探るべく、その町内会を訪ねました。
(恩田記者)「札幌市豊平区のある地域に来ています。ここは、地名の読み方が話題になっているんですが、みなさんは何と読みますか?」
信号機の横に掲示された住所。
読み方は…すいしゃ「ちょう」。
バス停のフリガナもすいしゃ「ちょう」です。
さまざまな看板に「すいしゃちょう」というフリガナが書かれています。
ところが…
(約30年在住)「『すいしゃまち』と読んでいます」
(大学生)「小さいころから『すいしゃまち』って読んでいて」
地域をまわってみると、ローマ字で、すいしゃ「まち」と書かれたマンションがあちらこちらにありました。
いったい正しい読み方はどちらなのでしょうか?
このあたりに50年以上住む、町内会長の高橋恒夫さんです。
(旭水町内会 高橋恒夫会長)「従来この地区はすいしゃまちというふうに我々は言っているんですけど、札幌市ではすいしゃちょうという風にされていた」
地域住民にとっては、すいしゃ「まち」という呼び名に強い思い入れがあります。
(旭水町内会 鈴木嘉幸さん)「日常会話の中で、私たちはすいしゃまちとみんな言っています」
町内会50周年で作成した冊子には、「すいしゃまち」とローマ字で書かれた看板の写真が残されています。
(旭水町内会 高橋恒夫会長)「この標識は『すいしゃまち』と表示されていました。なんで変わったのかなという疑問はありました」
もともと「すいしゃまち」と書かれていた看板には「すいしゃちょう」と修正されていて、地域住民は違和感を抱えながら生活しているのが現状です。
では、札幌市ではなぜ「すいしゃちょう」としているのでしょうか。
札幌市に残っている資料ではじめて水車町の地名が出てくるのは昭和25年。
このときは読み方は書かれていませんでしたが、昭和54年の再編のときに作成された資料には…
(札幌市住民情報課 下澗聡課長)「このところに初めてすいしゃちょうという読み方がふられた」
公的な資料では「すいしゃちょう」ですが、秋元市長は何と読んでいるのかというと?
(秋元市長)「すいしゃまちと使っていることが多いかなと思います。地域の皆さんは日常的にすいしゃまちと使っていたんだろうと重く受け止めていかなければならない」
読み方に疑問を感じた高橋さんらは「すいしゃちょう」から「すいしゃまち」に変更するよう、市に要望書を提出しました。
およそ2か月半で住民の4分の1を超える1060人分の署名が集まりました。
高橋さんのもとへは地域に住む人から「すいしゃまち」を取り戻してほしい、などとメッセージが届いているといいます。
(旭水町内会 高橋恒夫会長)「地元民としては『すいしゃまち』はなじみ深いし愛着もあるし、住民が使っている名前は尊重してほしい」
読み方の変更は議会での議決が必要で、札幌市は今後、現地調査などを経て検討するということです。