その引き金を引くのは誰だ「自治体要請で撃ったのに」銃を失ったハンター咆哮 曲がり角クマ対策
判断が分かれたのは、銃弾が周囲に危険を及ぼす可能性があったかどうか。
札幌地裁は、銃弾はクマの体内にとどまった可能性が高いと判断。
さらに、背後にあった斜面が銃弾を受け止める「バックストップ」の役割を果たしていたとしました。
一方、札幌高裁はクマを貫通した弾丸が草や石に当たり、跳ね返った可能性があると指摘。
斜面では安全を確保できず、住宅などに危険が及ぶとしたのです。
(猟友会砂川支部 池上治男支部長)「撃ったやつがさ、クマの体内を抜けて跳弾するとか言われたら、もう誰もできないよ」
この高裁判決に危機感を抱いたのが、北海道猟友会です。
(北海道猟友会 堀江篤会長)「処罰されることがあったら大変だから。今まで以上に協議を重ねて、出る出ないは判断してということになった」
自治体からの駆除要請に協力するか、各支部の判断にゆだねることにしたのです。
(記者)「盾を持った警察官が店内に入っていきます」
市街地への出没が相次ぐクマ。
12月、秋田県ではスーパーにツキノワグマが立てこもりました。
市街地で発砲ができず、重装備の警察官も手が出せません。
クマが運び出されるまで丸3日を要しました。
市街地に現れるクマとどう向き合うのか。
猟友会の堀江篤会長は、鈴木知事と環境省まで出向き、駆除体制の強化を求めました。
(北海道猟友会 堀江篤会長)「どこへ撃っても跳弾だよねという言葉が出てくる。どこへ撃てばいいのと。引き金を引く者が責任を負わされる」
国は市街地でも速やかにクマを駆除できるよう法改正を目指していて、ハンターに不利益が生じないような仕組みを模索しています。
では、クマ対策を担うのはいったい誰なのかー
札幌で市民らが意見を出し合いました。
参加者があげたのは「ハンター」だけではありません。
「住民」をはじめ、あらゆる人が「自分ごと」としてクマと向き合うべきではないかとの意見が出ました。