柏崎刈羽原発7号機 2029年まで運転停止の可能性 テロ対策施設の完成が大幅延期 《新潟》
東京電力は再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機について、テロ対策施設の完成が大幅に遅れると発表しました。再稼働に向けた地元の同意を得る見通しは依然立っておらず、施設が完成する4年後の2029年まで運転の停止が続く可能性が出てきました。
27日午後、取材に応じた柏崎市の桜井雅浩市長。
〈柏崎市 桜井雅浩市長〉
「私が考えていたよりもはるかに 長いというか遅いというかという期間ですので非常に残念でありました」
その言葉に落胆の色がにじみます。東京電力・柏崎刈羽原発7号機の再稼働にからむある発表がありました。
〈柏崎刈羽原発 稲垣武之所長〉
「7号機の特重設(テロ対策施設)はこれまでに実施したことのない工事かつ非常に大規模な工事であるため工期について見通すことが非常に難しい。工事完了時期を2029年8月に変更」
新たな規制基準で設置が義務づけられているテロ対策施設。その完成が予定していたことし3月には間に合わず、4年後の2029年8月に遅れると発表しました。設計の見直しや建設業界の人手不足などが理由だといいます。
これにより仮に地元の同意を得られて再稼働ができても施設の設置期限であることし10月を過ぎると運転ができなくなります。そのうえで柏崎刈羽原発の稲垣所長は短期間でも7号機を再稼働させる意義を強調します。
〈柏崎刈羽原発 稲垣武之所長〉
「原子炉の稼働が進んでいない東日本エリアは特に夏場の需要期に一層厳しい状況になる。7号機を稼働させる意義はある」
再稼働を容認する立場の柏崎市の桜井市長は―
〈柏崎市 桜井雅浩市長〉
「半年から1年ほどは遅れるのではないかと考えていたが、4年の遅れという年月を私自身が受け止めきれなかったというのが正直なところ」
そのうえで「再稼働の意義は変わらない」と述べました。地元の住民は―
〈柏崎市民〉
「安全性を高めるために遅れるのは仕方がない」
「東電が動かそうとしてる矢先にここへきて4年も5年も先に延びますなんておかしい」
柏崎刈羽原発をめぐっては7号機に続いて6号機も再稼働に向けた準備が進められています。6号機のテロ対策施設は設置期限が2029年9月と4年以上先です。仮に東京電力のスケジュール通りに工事が進み、地元の同意が得られれば7号機が停止中の期間は6号機の運転が可能になります。
〈柏崎刈羽原発 稲垣武之所長〉
「結果的には7号が止まって6号が運転をできている。また6号が止まる時には7号が運転できているというところでありますがまさに精査中であります」
7号機に浮上した長期にわたる運転停止の可能性について県のトップは…
〈花角知事〉
「再稼働の議論は柏崎刈羽原発と新潟県民がどう向き合うかという議論。それは何号機とかの議論とは本筋の議論ではない。原子力発電所とどう向き合うかというのが議論の本筋なので」
あくまで7号機の再稼働を目指す考えの東京電力。地元同意の行方が焦点となります。