「台湾のコメを日本に」 日本国内の価格高騰で需要見込む 海外バイヤーが上越市の田んぼを視察 《新潟》
コメの価格高騰が続くなか海外のバイヤーが上越市の田んぼを視察に訪れました。高値が続くこの現状をうけ、日本へのコメの輸出を検討しているといいます。
一面に広がる田園風景に田植え機の音が響きます。
この日、上越市の田んぼを訪れたのは台湾系アメリカ人のデヴィッド・リンさん。日本のコメを中心に様々な食材を取り扱い貿易を行っています。
「ことし天気のスケジュールは早い?遅い?」
「(田植えは)ちょっと遅れています」
海外バイヤーのリンさんが視察に訪れた理由…
〈デヴィッド・リンさん〉
「台湾のお客さんはだいたいみんなコメ不足。日本のコメが足りないことはよく知っている」
全国的に続くコメの品不足や価格の高騰。令和のコメ騒動とも言われ、コメどころ・新潟でも品薄となるスーパーも…こうした状況は日本のコメの輸出先のひとつ、台湾でも報じられているといいます。
リンさんはことしの生産状況を確認するため取引先のもとを視察に訪れました。
約300ヘクタールの田んぼでコメを作る「田中産業」。リンさんを通じて毎年3トン近くのコメを台湾に輸出しています。
リンさんが台湾で扱っている日本のコメは60銘柄以上。スーパーの売り場には産地の地図までデザイン。日本のコメは品質の高さ、そのおいしさから台湾でも人気があるといいます。
田中産業では大規模化し、コメ作りの効率化を図っています。後継者のいない農地を引き継ぎ、ことしは20ヘクタール近く作付け面積を増やしました。
〈田中産業 田中朗之常務〉
「私たちも生産の安定しっかりと安全でおいしいコメを食卓へ届けられるように頑張っていきたい」
〈デヴィッド・リンさん〉
「視察して皆さんと話して(コメを)いっぱい作りたいと。(コメ不足は)大丈夫だなと」
海外バイヤーのリンさん。見据えるのは台湾米の日本への輸出です。あっさりとした食感で日本料理との相性も良く関税を加えても日本のコメと変わらない価格で売り出すことができるとみています。
〈デヴィッド・リンさん〉
「日本人は台湾のコメも好きじゃないかな。だから将来的には台湾のコメも少し日本に入れて、日本に台湾のコメが入れば台湾の農業も助かります。両方が“ウィンウィン”だからいいんじゃないか」
海外からのコメの輸入の動き…価格の高騰が続く中、日本のコメを取り巻く状況は刻々と変化しています。