圧巻!折り紙×CG 日本初の学生アカデミー賞銀賞 新進気鋭23歳のCG映像作家がアニメーション作品を披露 子どもたちに語った思いとは…。
山崎監督のふるさと、松本市で8日、アカデミー賞の主催団体が開く学生アカデミー賞を日本で初めて受賞した23歳のCG映像作家がアニメーション作品を披露しました。
まるで大地から生命が息吹くように、正方形の紙が、さまざまな生き物に折られていく様子を描いたCGアニメーション。2分55秒の映像作品、「Origami」です。今年の第51回学生アカデミー賞、アニメーション部門で、金賞に次ぐ銀賞を受賞しました。
学生アカデミー賞受賞 金森慧監督
「自分で作品作りながら、どうやって人の心を動かそうみたいなことを考えているうちにやっぱりそれが楽しいというふうにでてきて、特に今回の受賞を機に突然、金森監督って呼ばれるようになって違和感でしかないんですけど」
「Origami」を制作した23歳の金森慧監督。日本作品が学生アカデミー賞を受賞するのは初めてで、過去の受賞者の中には、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「モンスターズ・インク」などを生み出した監督たちもいます。
東京都出身ですが、デジタル人材の育成に力を入れる松本市からの依頼を受け、受賞後初めて、公の場で制作秘話を語りました。
金森監督
「これ面白かったんで持ってきたんですけど、カエルを真ん中でちょん切って横から見ると内側にこんだけ紙が重なっているんですね、一番多い所で24枚、紙が重なってて、これ1つでも形にめり込んじゃったらダメなので、これだけの量の紙の重なりと作業しながら戦うみたいなそんな作業を続けてました」
これまでのアニメーション作品では、折り紙の表現は技術的に困難とされ、実際の紙では作れない形や折っているかのような描写が多く、疑問に思っていたといいます。
金森監督
「元々には折り紙文化をちゃんと表現したいみたいなそこのこだわりが姿勢に対して評価いただいたものなのかなと勝手に思っています。折り紙って英語でもOrigamiっていうぐらい世界共通で日本の文化として広まっているものなので、せっかく映像を作るなら日本の折り紙文化として表現をしたいということ、ツルとかカエルとか誰でも折れる文化として楽しめるみたいな折り紙がやっぱりすてきだなと思って、そういうワクワク感みたいなのを表現したいみたいな思いもありました」
8日は、金森監督がCGソフトを操るために欠かせなかった英語の恩師の姿も。
中1~高3時代の恩師は
「ご縁があって松本で暮らしていて松本で高校生に英語を教えているんですけど、彼から連絡があって、松本に行くことになりましたって言われたときにこう何か松本にみんなで呼ばれているようなところがあったり。人の何百倍も努力している、それをそう見えないところが、彼の本当に魅力だなと思うので、これからもすごく苦労はいっぱいするだろうけども、きっといろんな映画界とか、若い人たちをけん引していってくれるんじゃないかなと思います」
小学1年で始めた折り紙の知識と高校2年で始めたCGの技術を掛け合わせ、大学4年で取り組んだ卒業制作が誕生のきっかけです。幼い頃からサッカーや水泳、それにスケートボードなど好きなことにトライしつつ、CGにたどり着いたそうで…。
Q「いつから始めた方が良かったと思いますか?高2が一番良かったのか、それともその前か、その後か?」
金森監督
「CG始めるまでに何してたかみたいなのが人によってすごく生きていて、僕の場合はたまたま折り紙だったっていう感じで、CG始める前に絵を描いていた人とか例えばレゴが好きだった人とかそういう人はCG始めるのが遅くてもすぐに伸びるというか、他のことで極めていた人はCGすぐにうまくなるのかなという傾向にあるのかなと思って、いつCG始めるかは正直関係ないって思っています」
ものづくりへの情熱…。今年は、「ゴジラ-1.0」のアカデミー賞、「SHOGUN 将軍」のエミー賞と、日本をテーマにした映像作品が海外で高い評価を受ける流れがありました。
金森監督
「ここまで来たからには金が欲しかったという感じで、英語でスピーチしている間、本当に悔しさしかなかったですけど、今考えるとここで学生アカデミー賞なんで、ここで満足しちゃいけないし、やっぱり銀賞で調子に乗るなよって言われている感じがするのでこれはこれで良かったのかなと思っています。いずれ日本から金賞を取る受賞者が出たらいいなと思っています。僕からは以上になります。ありがとうございました」
箕輪町から(小4)
「絵をうまく描けるように頑張りたい。漫画家とか小説家、本が好きだから自分でも書いてみたいなと思った」
子どもたちの背中を押す金森監督の作品は、来年のアカデミー賞、短編映画部門で選考の対象となります。