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大雨被害から9か月 酒田市の刈屋梨の畑 一部で更地にするところも 復旧はまだ道半ば

2025年4月25日 18:23
大雨被害から9か月 酒田市の刈屋梨の畑 一部で更地にするところも 復旧はまだ道半ば

大雨によって氾濫した酒田市の荒瀬川の周辺地域では、大きな被害が出た特産の刈屋梨の畑などの復旧がいまも手つかずで進まない場所も多くあります。現地を取材しました。

4月12日、酒田市の荒瀬川の下流地域に位置する刈屋地区では、特産の刈屋梨の開花を目前に病害虫を防除する薬剤散布が行われていました。

刈屋梨生産者 土井正幸さん「ここ俺の畑なんだ。手の付けようがないので構ってないんだけど。公共災で切ってくれるというけどどうしたもんだか」

荒瀬川の堤防外側にある土井正幸さんのナシ畑は、あわせて30アールが水没し、大量の泥や流木が押し寄せました。
このうち、およそ半数にあたる14アールは、自力で流木などを撤去し傷んだナシ棚の支柱を直して何とか今シーズンの栽培に間に合わせました。
しかし、残りの16アール分は畑に溜まった泥の厚さが30センチ以上に達し、防除作業に使う薬剤散布車が入れないなど栽培が難しくなりました。
そのため、復旧費用のほとんどを国が補助する「公共災」による復旧工事を申請し、一旦、更地にすることを決断しました。

刈屋梨生産者土井正幸さん(この辺の木はまだ古くないもの?)「うん 若い木だった。」
(まだまだナシを取ろうと思っていた?)「うん これからね。これからの木だったんだ。みんな壊して更地にしたら土の下はどういう状態になっているもんだか。」

しかし、公共災による工事が始まる時期が見通せないため、別の畑は、病気の発生源にならないよう20本あまりをあらかじめ自己負担で伐採せざるを得なかったということです。土井さんは今シーズン、被害がなかった1ヘクタールの栽培に集中して取り組む予定です。
24日、農林水産省東北農政局が酒田市内の被害地域の状況を視察しました。特に被害が大きかった大沢地区と刈屋地区、そして西荒瀬地区。現場では土砂や巨大な流木などがいまもほとんど手つかずのままの状態となっている光景が広がっていました。市などは、農業被害に対する農業共済や収入保険の補償の拡大を強く求めました。

東北農政局生産振興課 吉田勉課長「改めて9か月になってまだなかなか復旧が進んでいないという状況が確認させてもらいましたので、東北農政局として出来る支援を色々考えていきたい」

刈屋梨の畑では、いま、雪のように真っ白なナシの花が咲き誇り、授粉のための花粉採取作業が始まっています。

しかし一方で、大雨被害後復旧作業が全く進んでいない畑が数多くあるのも現状です。

最終更新日:2025年4月25日 20:40
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