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山形市の産業団地造成工事の入札妨害事件 公社の職員は予定価格を知ることができない立場

2024年9月27日 19:02
山形市の産業団地造成工事の入札妨害事件 公社の職員は予定価格を知ることができない立場

山形県住宅供給公社が発注した山形市の産業団地造成に伴う工事の指名競争入札に関し、入札の予定価格に関する情報を漏らすなどした疑いで職員の男らが逮捕された事件で、この職員は本来、予定価格を知ることができない立場だったにも関わらず、犯行が行われていたことがわかりました。

逮捕・送検されたのは、県住宅供給公社職員で天童市柏木町1丁目の伊藤健一容疑者(62)と山形市中野の会社役員・高橋政信容疑者(74)です。
警察の調べによりますと、伊藤容疑者は去年9月、県住宅供給公社が実施した山形北インター産業団地造成に伴う建設残土運搬工事の指名競争入札の際、高橋容疑者に対し、秘密事項である予定価格に関する情報や参加業者の数などを漏らし入札の公正を害した疑いです。
警察は26日、公社と工事を委託した山形市、そして高橋容疑者が代表取締役を務める会社を家宅捜索しました。

県住宅供給公社沼沢好徳理事長「関係するみなさまに多大なるご心配とご迷惑をおかけし、信頼を損ねてしまい心よりお詫び申し上げます。 大変申し訳ございませんでした」

事件を受けて公社は27日午前、会見を開きました。公社によりますと、工事には10社が入札し、非公表で設定されていた予定価格は4879万円でした。入札の結果は最高価格が5050万円、最低価格は高橋容疑者の会社が予定価格よりも1000万円以上低い3700万円を示し、落札しました。また、最低価格の次点の金額は3900万円でした。伊藤容疑者は予定価格を設定する上で必要な工事費の見積りを担当していましたが、入札に関する価格の設定は役員が一人で行っていたため、本来、伊藤容疑者は入札に関する価格を知り得ない立場だったということです。
伊藤容疑者は1996年4月に公社に入社し、これまで主に団地造成や開発を担当していました。こうした業務を通じて、高橋容疑者と接点を持つ機会があったとみられています。また、今回の建設残土運搬工事では現場監督を務めていました。
公社によりますと、高橋容疑者の会社はこれまでに25件の入札に参加し、落札したのは今回の入札を含めて8件だったということです。
警察は余罪の有無などについても2人を追及する方針です。事件について、公社に出資する県の吉村知事は「このような事態は極めて遺憾。公社に対し捜査への協力と事実関係の報告を求める」とコメントしています。

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