【特集】「空が見える新生児集中治療室」大学病院NICUの引っ越しに独占密着

2025年5月、日本トップクラスの大病院・大阪大学医学部附属病院が一部移転しました。外来や手術室のほかに、『総合周産期母子医療センター』も移転することに。番組では、中でも病気の赤ちゃんが過ごす「NICU(新生児集中治療室)」の引っ越しに独占密着しました。(「サタデーLIVE ニュース ジグザグ」取材)
■「とにかく狭い!」阪大病院NICUの現状
GWの街は、どこも休日ムード。でも、太陽の塔の奥の建物…この場所だけは違いました。
積みあがった、大量の荷物。ここは、大阪大学医学部附属病院。移転作業が佳境を迎えていました。
(医療スタッフ)
「とにかく安全にゆっくり、ということでお願いします」
失敗が許されない引っ越しの一部始終に密着しました。
大阪大学医学部附属病院は、約150年の歴史を誇る日本トップレベルの大学病院です。しかし、現在の建物は完成から30年以上が経ち、老朽化も進んでいました。
すぐ隣にできた新たな建物は、地上8階・地下2階建て。外来や手術室のほか、妊婦や赤ちゃんが入院する『総合周産期母子医療センター』などが移転することになりました。
移転前の母子医療センターの内部には、NICU=新生児集中治療室があります。NICUとは、病気とたたかう赤ちゃんたちが過ごす場所。医師や看護師が常駐し、高度な集中治療管理を行います。
しかし、ある課題が―。
(大阪大学医学部附属病院 須藤昌子 看護師長)
「何と言っても、狭いのが一番の問題。処置をするとかケアをするとか、いろいろなものをワゴンに載せていくとなると、なかなか通りにくい」
この部屋はもともと別の目的で使っていた部屋だったものの、医療技術の進歩に伴い、NICUとして作り替えたということです。そのため手狭にならざるを得ず、通路は医療スタッフが一人通るので精一杯。窓も、ほとんどありません。
■「わが子に空を見せてあげたい」面会に訪れる両親の思い
赤ちゃんの両親は一日1時間、面会することが許されています。
(茜空くんの両親)
「来たよ、おはよう」
NICUで過ごす、生後6か月の茜空(そら)くん。18トリソミーという染色体の病気です。医療機器による呼吸のサポートが必要で、生まれてからずっと病院で過ごしてきました。