【独自解説】「当初していたのは外部通報をした“犯人捜し”」兵庫県・斎藤知事“パワハラ疑惑” に新事実 元幹部職員の告発は本当に“公益通報”の対象外なのか?調査初動の問題点を専門家が指摘
■懲戒処分の調査権と懲戒権を持ってる人事課が初動の調査…そこに問題点はなかったか?
県は元幹部職員に対しての懲戒処分の理由として、「外部への文章、配布があった」、「人事データ専用端末の不正利用」、「個人情報の不正取得・持ち出し」、「勤務時間中に私的文章を多数作成した職務専念義務違反」、「特定職員の人格否定の文章を送付したハラスメント行為」などを挙げています。
県の公益通報の担当部署によると、2024年4月の通報を受けて調査をし、一部強く叱責を受けた職員を確認した。ハラスメント研修や贈答品の受領基準の明確化など是正措置を求める方向で検討していくということです。
県・人事課の内部調査に問題はなかったかについて、斎藤知事は、「人事課が非違行為に該当する事案を把握した場合には、あくまで人事課が懲戒処分の調査権と懲戒権を持っているので、彼らがまずは事実関係を一つ一つ確認していく。然るべきタイミングで弁護士に相談、リーガルチェックをしていただくのは正しいプロセス」としています。
また、初動の対応は誰が判断したのかについては、「(「告発文」に関して)信ずるに足る相当の理由が我々は確認できなかったので、一連の対応をさせていただいた」と話しています。
Q.懲戒権を持っている人事課が初動の調査をしたのが問題では?
(亀井弁護士)
「利害関係人である知事の指揮の元にあって、懲戒処分をするであろう機関を使っています。あくまで中立的な機関でしっかりと公正妥当な判断ができるところを使わないといけません。内部であっても完全に独立した機関で調査しないとだめだと思います。その辺が外部通報についての整備が甘いと感じます」
Q.内部通報だけだと事実が表に出てこないと思ったから、外部通報したのでは?
(亀井弁護士)
「私は、元幹部職員は『内部通報をしても握り潰される』と感じたので、外部に通報したのではないか、と思います。調査の過程で、もし『〇〇から聞いた』というと、それらも全部潰されますし、情報提供者にも迷惑をかけるわけです。外部通報に関する調査はちゃんとできてないと思います」