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【詳報】リミットは9月29日 兵庫・斎藤知事“辞職”か“議会解散”か 高額な選挙コスト 退職金は1500万円超 次の知事は?

2024年9月21日 20:00
【詳報】リミットは9月29日 兵庫・斎藤知事“辞職”か“議会解散”か 高額な選挙コスト 退職金は1500万円超 次の知事は?

 19日午後に開かれた県議会本会議で、兵庫・斎藤知事への不信任決議案が全会一致で可決成立しました。これを受け斎藤知は「辞職」か、「議会の解散」かを10日以内、つまり9月29日までに選ぶことになります。

■“辞職”か“議会解散”か 県民から「はよ辞めてほしい」の声も

 全県議会議員による辞職要求にまでに発展した斎藤知事への告発文書をめぐる問題。

 19日、全会一致の「不信任」をつきつけられた斎藤知事は淡々と記者の質問に答えました。「改めて県民の皆さんにお詫びする。(決議を)しっかり私自身が受け止めなければならない。今の状況を招いているのは私自身。86人の議員には感謝したい。職員の皆さんにもこの間一生懸命仕事して頂いていたので、感謝の気持ちです」

 しかし、辞職か議会解散かの自らの判断については明言せず「しっかりと考えることが大事。今すぐ判断はできない」「重い判断。しっかりと考えて、表明するタイミングについては事前にお伝えする」として、自らの進退については明かしませんでした。

 辞職を選ばなかった知事について、県民からは「あかんと思うよ、はよ辞めてほしい」という声や「やっぱり信用できないというか、辞めていただきたいというのが一番」といった厳しい声が寄せられました。さらには「最初は頑張ってほしいという気持ちもありましたけど。でも出直して、一度辞められてから、新たに(出直し知事選に出馬)というくらいの気持ちになってほしい」と知事の“けじめ”を問う声も寄せられました。

■“議会解散”なら約34億円のコストかかる可能性 「タイムリミット」は9月29日(日)

 不信任決議を受けた斎藤知事は、9月29日までに①辞職か、②議会を解散するか、③もしくは辞職も解散もせず自動失職するか(30日午前0時)の選択を迫られています。29日は日曜日ですが、手続きは土・日・祝日の閉庁日でも対応可能ということです。「議会の解散」を選んだ場合、都道府県の議会では史上初めてとなります。

 しかし、どの選択肢も多額の税金がかかります。①と③の「知事の辞職・失職」ならば、知事選挙に約18億円の費用がかかるとみられています。②の「議会解散」ならば、県議会選挙に約16億円の費用がかかるとみられます。さらに新たな県議会で、知事への不信任案が再び可決されれば、知事は自動的に失職するため知事選へ。県議選・知事選のダブル選挙なら約34億円の税金が費やされる可能性もあります。

 なお兵庫県の人事課によりますと斎藤知事の退職金は、①9月29日までに退職の場合は1561万7700円③9月30日に失職(または解散したが10月30日までに辞職)の場合は1603万9800円②議会を解散し、11月中の議会で不信任が可決(または10月31日に辞職)の場合は1646万1900円が支払われます。

■次の“兵庫県知事”は誰? 問われる県民の一票

 今後、斎藤知事がどんな決断をしたとしても選挙になることから、兵庫県の選挙管理委員会では、20日の朝から、職員が市町からの相談対応や過去の選挙運営の確認などに追われていました。選挙管理員会の担当者は「どういった選挙が行われるのかは知事のご判断。そこが確定していないので、完全なゴーサインが出せないのが悩ましい」と話し、タイトな選挙スケジュールに悩みを隠せない様子でした。

 そして知事選が開かれることがほぼ確実となってきたなか、いまや兵庫県だけでなく、全国から注目が集まっているのが「次の知事は誰になるのか」という問題です。斎藤知事は“出直し出馬”するかどうかについても、まだ判断を示していません。

 日本維新の会は、19日夜、藤田文武幹事長(選対本部長)が報道陣に独自候補を擁立するかどうかを問われ「独自候補の擁立も選択肢の一つにしていきたい」といち早く答えています。

 今後の兵庫県のかじ取りを誰に託すのか。県民の一票が問われる機会が迫っています。

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