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【ナゼ】万博開幕後もネパール館の工事ストップ!「期日までに支払う」言葉信じて業者“持ち出し”も…一国の“政府”相手に「未払いリスクあると思わず」関係者が明かす裏側

2025年4月27日 9:00
【ナゼ】万博開幕後もネパール館の工事ストップ!「期日までに支払う」言葉信じて業者“持ち出し”も…一国の“政府”相手に「未払いリスクあると思わず」関係者が明かす裏側

 “万博の華”といわれる海外パビリオン。ところが、開幕後も会場内のネパールのパビリオンは、建設会社への支払いが滞ったため、工事が完全に止まってしまい、再開のめどは立っていない。このままだと開催期間中のオープンすら危ぶまれる中、いったい、何があったのか―。関係者への取材で、ネパール側との交渉の裏側が明らかになった。
(取材・報告=中野颯大・楠下一輝・平田博一)

■開幕後も人の姿はなし 内部には資材・土が積まれたまま

 万博会場の大屋根リング内の北東部分に位置するネパールパビリオン。開幕から10日以上が経過しているが、施設の周囲にポールが置かれ、立ち入りができない状態となっている。

 建物はほとんど完成しているようにも見え、外観はきれいに壁の装飾がされている。

 だが、窓から内部を覗いてみると、資材が今も積まれ、中庭部分には土が盛られたまま―。

 「工事費用の未払い」「再開のめどが立っていない」という状況が22日に報道されて以降、「ニュースで知って、見に来た」と未完成のパビリオンを訪れて写真を撮る人の姿もあり、「ここまで完成したんだから」「楽しみにしていたから、半年間のうちになんとか」と開館を待ち望む声も聞かれた。

■“着工金”支払われ工事開始 「いつか払われる」業者が“持ち出し”

 問題の発端となっているのが、金をめぐる問題だ。

 関係者によると、ネパール政府と工事業者の間では、工事が始まる前に払われる「着工金」が予定通り支払われ、去年8月に工事がスタートした。請け負った業者だけでなく、工事には下請け・孫請けなど様々な業者が携わり、外観工事は約9割まで完了していた。

 ところが、着工金を支払って以降、ネパール政府側から工事業者に対して支払いが滞るようになる。完成までのスケジュールもあり、業者側は「いつか払われるだろう」と思って工事を続けていたが、一向に支払われないまま。

 業者は“持ち出し”で工事を続けていたが、金銭面のやりくりが厳しくなり、一部の下請け・孫請け業者への支払いまでもできない状態に陥った。ついに、開幕まで3か月間となった今年1月、工事をストップせざるを得なくなったという。

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■「期日までに支払う」ネパール側の言葉を信じた業者 説明は二転三転
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