【速報】「被告を憎まない」遺族が判決受けコメント「量刑に納得。誰かを恨んだりせず、生きてほしい」 近畿大学剣道部暴行死事件 元大学生に執行猶予付き有罪判決 大阪地裁
近畿大学の剣道部内で、同じ部に所属していた男子大学生に暴行を加えて死亡させた罪に問われている元大学生に対し、29日、大阪地裁が執行猶予のついた有罪判決を言い渡したことを受け、法廷で「私は被告を憎まない、天寿を全うしてほしい」と語っていた男子大学生の遺族が、「誰かを憎んだり恨んだりせず、生きてほしいと思っています」とコメントしました。
近畿大学の剣道部に所属していた林陽暉被告(22)は、2023年10月、東大阪市内の路上で、同じ剣道部に所属する男子大学生(当時21)の顔を殴るなど暴行を加えて、後方に転倒させ死亡させた罪に問われています。
これまでの裁判によりますと、事件の直前に東大阪市内の飲食店で、剣道部の学生6人で酒を大量に飲んだ後、林被告の頬をたたき走って逃げた大学生を追いかけて、顔を殴り、その後胸を押した際に後方に転倒し、止められていた自転車に後頭部を打ちつけたということです。
死亡した男子大学生の父親は意見陳述で「私は被告を憎まない」「(判決後の)それからの人生を一生懸命生きろ。道を外したり人を憎んだりするな。それに背くことは息子の命を二度殺し、私たち家族の心を冒涜することになる。我が身を大切にして、天寿を全うしてほしい」と訴え、林被告は「これからこのことを一生胸に刻んで、被害者の分まで償いと反省をしながら生きていきたいと思います」と語っていました。
29日の判決で大阪地裁は「若くして命を亡くした被害者の無念さは察するにあまりある」とする一方、「複数の偶然の重なり合いで死亡に至ったともみられ、代え難い友人の命を自ら失わせてしまったことを真摯に受け止め、遺族の言葉を受け、重荷を背負う覚悟や反省も強く示している」として、懲役3年・執行猶予4年を言い渡しました。
判決の後、被害者の両親は読売テレビの取材に対し、書面でコメントを寄せました。(以下、全文)
「本日、判決を聞きました。裁判所が決めた量刑には納得しています。判決を聞いても、心情意見陳述で述べた気持ちに変わりありません。息子には、お前の友達の償いが決まったよ、と報告してあげたいと思います。被告人には、被告人自身が述べたことに忠実に、また、私が裁判で述べたことにも忠実に、誰かを憎んだり恨んだりせず、道を外したりすることのないよう、生きてほしいと思っています。」