【速報】兵庫・斎藤知事めぐり「パワハラ事案があったとの確証までは得られなかった」県の調査結果公表 公益通報などの是正措置も発表
兵庫県は11日、斎藤知事の“パワハラ”などの疑惑に関する告発文書を作成した元幹部職員が今年4月に行った公益通報について、県による調査結果と是正措置を公表しました。今回の県の調査では、「強い口調で指導することはあったが、パワハラと認められる事案があったとの確証までは得られなかった」としています。
斎藤知事は11日の定例会見で、「多くの県民に心配をかけたことに改めてお詫び申し上げる」と謝罪した上で、「業務上必要な範囲」だったとの認識を改めて示し、「県職員と政策遂行のチームを作っていく上でも、風通しの良い職場づくりが重要」と述べました。
■“おねだり”疑惑「貸与を装った贈与と誤解を受けたケース」も
今年3月、元西播磨県民局長が斎藤知事の“パワハラ”や“おねだり”などの疑惑を告発する文書を作成し、一部の県議やマスコミなどに配布しました。元県民局長はその後、4月4日に公益通報を行い、事実の解明と是正措置の検討を求めていましたが、7月に死亡しました。自殺とみられています。
県は11日、今回の公益通報について、県の財務課が7月までに関係部署にヒアリングなどを行った調査結果を発表しました。
知事が受け取ったとされる贈答品に関する通報については、「知事の意図しない贈答品の受領につながったケースが確認された」「貸与期間を定めた書類等が不在であるため、貸与を装った贈与と誤解を受けたケースが確認された」と結論づけたということです。
また、職員への“パワハラ”に関する通報について、「知事は業務上の必要性から、職員に対して強い口調で指導することがあったと認識している」としながらも、「今回の調査では、パワハラと認められる事案があったとの確証までは得られなかった」としました。
一連の疑惑をめぐっては、今回の県の調査とは別に、県議会の百条委員会による調査や、外部の有識者を交えた第三者委員会による調査も進んでいます。
■公益通報の外部窓口や物品受領のルール策定、知事らもハラスメント防止研修
調査結果をふまえ、県は3つの『是正措置』を行うことを公表しました。
①職員公益通報制度における外部窓口の設置
県内の弁護士事務所に、公益通報窓口を設置し、通報の方法は電子メールで匿名でも受け付けられます。これまで公益通報をする場合は、県内部の公益通報の担当課への通報が必要でしたが、外部に窓口を設けることで組織の自浄作用を期待するということです。
②物品受領ルールの明確化
これまでは、手続きが明確ではなかったため、今後は、県が企業などから無償で物品を借り入れる場合は、数量や借りる期間、使用目的などを記載した書類を作成し、決裁するということです。また、県として受け取れない食べ物などについては、利害関係者からは原則受領しない、などのガイドラインを策定し、利害関係者の範囲や受領できる条件についても詳細に定義されます。
③ハラスメント防止研修の実施
これまで、課長級以下にしか行われてこなかったハラスメント研修を、次長級、部長級、副知事、知事にも対象を拡大するということです。研修は外部の講師を招き、風通しよく自由に意見交換ができる職場づくりのための組織マネジメントや、ハラスメント防止に関する内容を受講するということで、来年度から行われます。
県政改革課の原晃課長は報道陣に対し、「通報を受けて必要な調査は十分したと認識している。その結果、適正な是正措置案を作成いただいた。これに基づいて、きちんと県民の信頼回復を行っていただきたい」とコメントしました。