宇野昌磨「今より成長した自分」で五輪へ
フィギュアスケートの宇野昌磨選手が北京五輪代表内定から一夜明けた27日、日本テレビの単独インタビューに応じました。
以下、インタビュー全文。
――2度目の五輪出場が決まりました。前回との違いも含めて、現在の心境は?
「現在の心境は全くほっとした気持ちはなく、もちろんうれしいという気持ちはあるんですけど、ただ僕にとって五輪という舞台はゴールだと思っていない。もっともっと成長したい、今大会で見つかった課題を一刻も早く練習して、自分の糧にしたいというのが今一番思う心境です」
――全日本のショートの演技について
「見つかった課題はたくさんあるんですけど、悔やんではいない。もっと自分は成長できる、もっとあれやりたいこれやりたい(という気持ちで)、全然悔しいとか後悔の気持ちは全くない。次の試合までにはこれをマスターしたい、これをできるようになりたいという気持ち。正直今回の大会での演技はよくやったと思いますけど、自分の演技に満足する満足しないという評価を全くしていない。練習をしてきたから試合でできなくてもいいというか、試合での失敗を受け入れる覚悟を持って試合に挑んでいる。試合で跳べなくて悔しいというのは最近あまり感じないです」
――五輪ではどんなショートを見せたい?
「正直、4回転+2回転を4回転+3回転にすることについて、練習という面ではこれ以上やれることがない状態と感じている。練習では4回転+3回転以外は跳ばないようにしているので、曲かけ以外でも4回転+3回転しかやらない、単発は全く跳ばないという状態なので、これを引き続きやっていく。あとは試合で1つ目のジャンプが乱れたときに、どうしてもダブルトーループにいってしまうので、そこは一度、『そこでもいけるんだ』と自分で認識させるか、1つ目の4回転トーループをすごくきれいに跳ぶか考えている。そういった課題もありながら僕の中で鍵山優真選手や羽生結弦選手のように、加点のもらえるジャンプを自分なりに研究しなければいけないと思っている。ジャンプ自体をきれいにするのは難しいことだと思っているので、跳ぶ前の入りや降りたあとの振り付けを工夫できたらなと考えています」
――シーズン前は『楽しみでしょうがない』と言っていたが、今はどんな気持ち?
「試合に出るたび、次の試合までにこれ練習しようとか、どんどん課題が見つかっていく。課題を述べているからこそ、僕が悔しんでいると感じる方もいると思うんですけど、全くそういうつもりはない。うれしいですね、こうやれば成長できる(と分かって)。そして練習していても見つからない部分は試合で感じるからこそ強く自分に決意を持ってこれをやりたいと感じさせてくれる。試合はいいなと思います」
――今季は4回転を4種類5本と宇野選手の中で最高難度の演技に挑戦しているが、五輪で成功させられる自身は?
「試合は正直分からないですね。試合は運もあると思っていますし、ただ今より成長した自分を見せられる確信を持った練習をしたいと思います。(4回転)4種類5本というのは難しい構成でもなく、自分にとってこれがベース。ここから増やすつもりで、これから先のスケート人生を送っていくと思います」
――北京五輪の目標は?
「いま僕の中でこれを成し遂げたい、これをやりたいという具体的なイメージは全くないです。今は全日本選手権で見つかったものを一刻も早く持ち帰って、早く練習したい、そんな自分がいます。なので五輪では、自分のまだまだ長いスケート人生の成長過程を見せられたらなと思っています」