×

「この人のために、たとえ肩がちぎれても頑張ろう」工藤公康さんが語る“巨人移籍” 長嶋茂雄さんは人生を変えた人

2025年6月10日 7:45
「この人のために、たとえ肩がちぎれても頑張ろう」工藤公康さんが語る“巨人移籍” 長嶋茂雄さんは人生を変えた人
巨人入団発表会見での当時の長嶋茂雄監督と工藤公康投手【写真:時事】
今月3日に89年という生涯に幕を下ろした長嶋茂雄さん。そんな長嶋さんと出会い、人生が変わったという工藤公康さんが、巨人への移籍を決めた舞台裏について明かしました。

29年という長きにわたって現役生活を過ごし、通算224勝をあげた名投手・工藤さん。18年目を迎えた1999年のオフにはFA権を行使することを発表しました。それまで西武やダイエー(現ソフトバンク)などでプレーし、9度の日本一にも貢献した左腕の獲得に向けて、ダイエーや巨人、中日、メジャーなど複数球団からオファーの声があがりました。

そんな工藤さんに一番熱烈なオファーを送っていたというのが、当時巨人を率いていた長嶋さん。「『一刻も早く会いたい』と熱烈に伝えていただいて、FA解禁日の午前0時前だと違反になってしまうので、FA解禁日の午前0時1分に長嶋さんとお会いしました」と当時を振り返ります。

この一番乗りの交渉を終えても移籍先に迷っていたという工藤さん。すると突然、長嶋さんは自らが「無謀な行動」と表現した驚きの行動を見せました。

それはなんと、福岡の工藤さんの自宅への突然の訪問。この日について工藤さんは「突然です。僕は娘たちと昼の食事に出ていたんですけど、『長嶋さんが今、福岡空港から向かっている』と話を聞いて」と振り返り、食事の途中で慌てて自宅に戻ったことを明かしました。

この時の会話について工藤さんは「『工藤くんに会いに来ちゃいました』っていう話から『ぜひ読売巨人軍で男の花道を飾ってほしい』と言っていただいて、僕自身はそこで決断もできたし、来ていただいたことでどれだけ救われたか」と振り返ります。さらに「本当にこの人のためにたとえ肩がちぎれても頑張ろうという気持ちになりました」と、巨人への移籍を決断した思いを明かしました。

移籍初年度の2000年、工藤さんはチーム最多タイとなる12勝をあげ、6年ぶりとなる巨人の日本一に貢献。長嶋さんのために腕を振り続けました。

(6月8日放送 日本テレビ「Going! Sports&News」を再構成)
最終更新日:2025年6月10日 7:45
一緒に見られているニュース