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2021年4月22日 19:25

閉ざされた道再び五輪争いへ 高橋侑希

閉ざされた道再び五輪争いへ 高橋侑希
(c)NNN

レスリングの五輪世界最終予選が5月6日から9日までブルガリアで行われます。男子フリースタイル57キロ級の日本代表として派遣されるのは山梨学院大学のコーチでもある元世界王者、高橋侑希選手です。

高橋選手は2019年の全日本選手権で樋口選手に敗れ、東京五輪への道は断たれた形となりました。しかし、アジア予選に日本代表として出場した樋口選手が計量で失格となり、57キロ級の東京五輪出場は世界最終予選まで持ち越しに。日本の出場枠を取るために樋口選手に代わって、高橋選手に白羽の矢が立ちました。

取材に応じた高橋選手のインタビューの主な内容は以下の通りです。

-世界予選に出ることが決まった時の気持ちは?

正直チャンスが回ってきて、うれしいというか、新型コロナで(五輪の)期間が延びて続けるというのが苦しかったというか。何のために(レスリングを)やっているのか、僕が(五輪に)出られるかもわからないという状況の中でこの話を聞いた時は、「あぉ」という感じでしたね。「夢みたいだな」と。

-五輪あきらめたりしたことは?

あきらめるというよりは気持ちが入らないというか、練習は習慣でやるんですが、ちょっと気が抜けてるなというのは少しずつ増えてきていた。

-2019年の全日本選手権で負けた後も、どこかで五輪は意識して練習していた?

もちろんしていました。可能性ゼロとは言われてなかったので、スポーツ競技は何が起こるかわからないので、そこはあきらめずにやってきました。

-2019年に敗れた時よりも強くなったと思うところは?

気持ちが強くなったというか。どん底まで落ちたんで、これ以上つらいことは今後ないだろうなというくらい、これ以上苦しい経験はないなという気持ちを味わっているので、強みになっていると思います。

-あの負けを経験してよかった?

めちゃくちゃよかったと思います。リオ(五輪選考)でもだめ、東京(五輪)でもほぼほぼだめだという経験はおそらく僕くらいしか経験できていないので。いろんな人生がある中でこんな経験させてもらったのはレスリング。苦しい経験をしたけど、「人生楽ありゃ苦がある」ので、その楽を東京で花咲かせたいなと。(負けて)不幸になったとは思っていなくて、ありがたいくらいの気持ちでやっていた。苦しいですけど、本当に頑張りますという感じです。僕は負けることが不幸とは思っていない。結果より過程だと思っていて、歩む過程の中で自分がどれだけ一つの物事に対して、100%取り組めるか。結果も大事だけど、その結果を求めていく中で過程は含まれてくるので、僕はその過程をひたすら頑張りたいというか、自分にうそをつきたくないなと思います。

-所属がALSOKから母校の山梨学院大学コーチ(職員)に変わった。何か変化は?

ALSOKの時は自分のことだけ考えていればよかったけど、コーチになってからは、選手に後輩にどう接するか。コロナ禍で、JOC杯も中止になって、僕が選手だったら「何のためにやっているんだ」という気持ちになると思う。どうレスリングに向き合うか、どうアドバイスするか、すごく考えさせられた。後輩たちも僕のことを少なからず見ていると思う。僕は苦しい立場にたっているので、後輩に伝えたいのは「あきらめなければチャンスは回ってくる」と口で言うだけでなく行動で表したい。コーチとしてアドバイスするのはもちろんだが、行動で示すことによって(努力は)無駄ではないとみせたいと思ったのはコーチになったからだなと思いました

-発見が多いということ?

多種多様な選手がいて、選手を型にはめるのではなく、選手のいいところを伸ばしていきたい、という指導なので、自分を客観視するという部分でも新たな発見かなと思っています。

-世界予選での自信は?

もちろんあります。

-勝つにはどういうレスリングを?

いまのルールだと、体重調整が当日計量になって左右されるので、どうレスリングするとかではなく、100%力出せる調整をして、自分から攻めるレスリングをしたい。

世界最終予選では2位以内の選手が出場枠もしくは出場権を獲得できます。高橋選手が出場枠を取った場合、改めて樋口選手と東京五輪出場をかけてプレーオフを行うことになります。

高橋選手がブルガリアで出場枠をかけて戦うのは現地時間の5月6日です。