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「マラソンは面白い」「ただ走りたい」陸上界の生きるレジェンド・旭化成の宗猛総監督が退任 双子の兄・宗茂さんと2人で走った54年間

2025年3月29日 0:07
「マラソンは面白い」「ただ走りたい」陸上界の生きるレジェンド・旭化成の宗猛総監督が退任 双子の兄・宗茂さんと2人で走った54年間

旭化成陸上部で54年間にわたり、選手および指導者として活躍した宗猛総監督が、春に退任する。双子の兄、茂さんと共に日本のマラソン界で名を馳せた2人は、オリンピックにも日本代表として出場。現役引退後は若手選手の指導に専念し、日本陸上界を牽引してきた。多くの人々に影響と感動を与え続けた宗猛総監督の功績を振り返る。

旭化成陸上部で、選手・指導者として活躍してきた宗兄弟。

双子の兄、茂さんは、モントリオール・モスクワ・ロサンゼルスの3つのオリンピックで男子マラソン日本代表に選出された。

弟、猛さんも、モスクワ・ロサンゼルスの2つのオリンピックで男子マラソン日本代表に選ばれるなど、その時代のトップを走り続けた名ランナーだ。

現役引退後は、共に指導者として、谷口浩美や森下広一をはじめ、オリンピック男子マラソン日本代表として結果を残す選手を育て、日本陸上界をリードしてきた。

現在、旭化成陸上部の総監督を務める宗猛さんは、1971年に入社して以降、54年にわたり、チームを支え続けてきたが、2025年春、総監督を退任する事となった。

1953年、大分県臼杵市で生まれた宗兄弟は、中学時代から陸上で活躍しはじめ、高校時代には、全国高校駅伝に出場。


高校卒業後、陸上の名門・旭化成へ、強い想いを持って入社した。

旭化成陸上部 宗猛総監督:
旭化成のチームに入るということで、私たち2人とも「オリンピック選手になるんだ」という目標を持って入った。入社面接時、面接官に「僕はオリンピックを目指します」と言ったら、「いやいやそんな大きな話はいいから、まずは九州一周駅伝をちゃんと走ってほしい」と言われて、え!?九州一周駅伝でいいの?と思った。

高い志を持って旭化成入りした宗兄弟は、入社2年目には、延岡西日本マラソンに出場。マラソン初挑戦ながら、兄弟ワン・ツーフィニッシュという快挙を果たした。

メダルに届かなかった宗兄弟のオリンピック

そこからマラソンで着実に結果を残し、入社5年目には兄・茂さんがモントリオールオリンピックに出場。しかし、結果は20位。それを見ていた弟・猛さんは・・・。

旭化成陸上部 宗猛総監督:
そのときの結果が悪くて、やはりオリンピックに出るんだったらメダルが取れるぐらいじゃないと意味ないぞ、と。次のモスクワオリンピックに向けて練習した。
4年間の努力が実って、2人そろってオリンピックの代表になれたが、今度は日本がボイコットしてオリンピックに出場できず、夢は叶わなかった。

その後もオリンピックでメダルを獲ることを目標に頑張った猛さんは、続くロサンゼルスオリンピックの選考レース、1983年の福岡国際マラソンで4位に入り、3位だった茂さんと一緒に、再び兄弟そろって日本代表に選出された。

オリンピック本番では、兄・茂さんより早い、4位で弟・猛さんがゴールをするものの、真夏のマラソンに苦戦し、メダルに一歩届かなかった悔しさが残った。

自分の失敗を、指導者として次世代につなげる

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