【特集】記録的な不漁の中 秋田の食文化"ハタハタ寿司"継承に奮闘する水産加工会社のいま
ハタハタは加工品より鮮魚としての出荷が優先されます。鈴木水産が今シーズン県内の漁港から新たに仕入れたハタハタはゼロ。
隣接する青森からも、ある程度仕入れていますが
今年はその青森のハタハタの漁獲量も大幅に減りました。
このまま“貯金”を切り崩しているだけでは、2年後にはハタハタ寿司が作れなくなるといいます。
父の實さんが1960年に鮮魚店として始めた『鈴木水産』。鈴木勇社長が生まれた年に、加工業も始めました。
父・母と受け継いできた会社。そして、秋田の大切な食文化を後世に残していきたいと鈴木社長は考えています。
鈴木水産 鈴木勇 社長
「いろんな地域でハタハタって揚がってきますので、それを何とか買い付けして、ハタハタ寿司を作って行きたい ずっと作って行きたいです。資源は相当少ないかもしれないですけれども、絶対切らしたくはないですね…」
田村アナウンサー
「それはなぜそういう思いになるんですかね」
鈴木社長
「……いやあなんでしょうね。やっぱ秋田県人のDNAですかね?ハハハハハハ」「絶対欲しいんです。食べたいんです。私1人になっても作りますよハハハハ」
ハタハタの仕入れ値は安かった頃に比べると10倍になっているそうです。
しかし商品の値段を10倍に出来るかと言うとそうはいかないため、少しずつ値上げをしているということです。
県内でハタハタ寿司をつくっているほかの業者からも、原材料であるハタハタはもちろん、コメも容器も輸送費も上がっているので本当に、苦しいという声が聞こえてきています。
資源も、文化も、「守り続ける」為には大きな労力が必要な時代になっています。
ABSテレビでは2月8日に特別番組「消えゆく県魚~ハタハタを追う~」を放送します。