受け継ぐ伝統の技 小学生がはじめて差し手をつとめた竿燈会に密着
今月6日まで4日間開催された秋田竿燈まつり。今年はおよそ122万人が訪れその妙技を堪能しました。参加した竿燈会の中には今年初めて小学生が差し手を務めたところもありました。伝統の技が、大人から子どもへと受け継がれていきます。
去年までは大若のみでまつりに参加していた自衛隊竿燈会。今年小学生が差し手を務める小若もお披露目されました。はじめての大若と小若の共演。そのきっかけとなったのは、竿燈が大好きな1人の少年でした。
「どうやんの?」「それを教えてもらうんだよ」
6月、秋田市竿燈会が開いた練習会に参加していたのは、秋田市に住む小学5年生、藤原岳くんです。父親の仕事の都合で去年まで8年間長崎県で暮らしていました。
竿燈まつりに参加していた両親の影響で、いつかは自分も差し手を務めたいと願っていた岳くん。実際に竿燈を上げるのはこの日が初めてです。
なかなか思うようにはあがりませんでした。
この日から竿燈まつり参加に向けた岳くんの挑戦が始まりました。
藤原岳くん
「初めてだったのでまず持ち上げるという基本を頑張りたいですね。肩やおでことかも練習してうまくなりたいです」
岳くんが加わった自衛隊竿燈会では今年初めて小学生があげる小若を作りました。
岳くんのお父さん
「早く子どもたちにやらせてあげたいです」
早速完成した小若で練習を始めます。
自衛隊竿燈会のメンバーも、小若との共演を楽しみにしていました。
竿燈会メンバー
「飲み込むの早いなーと思って。あっという間だなーと。そのうちうちらの高さも超えて演技するんじゃないかなー。共演は今回が初めてなんですけど、竿燈が上がるところを早く見てみたいなっていう気持ちでいっぱいですね。はい。楽しみにしてます」
「新しい場面をやっぱ見せられるっていうのはいいことだなーと思います」
大人から子どもへと受け継がれる技。
岳くん
「何年もやってるって聞いたんで、何年もやってるのは練習もしなきゃいけないので、お父さんたちはすごいなと思いました。」
大若と小若が共演するまつり本番に向けて練習の日々が続きました。
8月3日竿燈当日
岳くんたちの練習を見守ってきた自衛隊竿燈会のメンバーも気合が入ります。
岳くんのお父さん
「まずつなげるっていうのと、あとは肩と額を頑張ってもらえればなと思います」
竿燈会のメンバー
「子どもたちが楽しんでもらえればいいかなと思ってますね、はい」
「去年まではなかったことなので、ライバル心と言いますか、大人の自分たちも負けないように頑張っていきたいと思っております」
もうすぐ自衛隊竿燈会の歴史に新たな1ページが刻まれます。
■岳くん上げる
自衛隊竿燈会の小若が初めてまつり会場に上がりました。
他の小学生たちも岳くんに続きます。
「ハルキ頑張れー前!前!」
小若の演技を見守っていた大人たち。負けじと安定した演技を披露します。
「どっこいしょーどっこいしょー」
自衛隊竿燈会の大若と小若が、初めて夏の夜空で共演しました。
参加した男の子(小3)
「嬉しかったです。僕が失敗してもみんなが応援してくれる」
藤原岳くん
「何回もちょっと失敗したんですけど、終わった時に拍手もらえたことが嬉しかったです」
岳くんのお父さん
「思った以上にできて、親としては本当に嬉しく思います」
大人から子どもへと伝統の技をつなぎ始めた自衛隊竿燈会。新たな歴史がこれから紡がれていきます。