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【特集】約80年ぶりにB29の機体の一部を発見 戦争の記憶をつなぐ探検家の思い 

2025年4月17日 17:44
【特集】約80年ぶりにB29の機体の一部を発見 戦争の記憶をつなぐ探検家の思い 

終戦直後に男鹿市の本山に墜落したアメリカの爆撃機・B29の機体の一部が、約80年ぶりに見つかりました。

発見した探検家の髙橋大輔さんは、現場にほかにも残されているとされる、より大きい、大人の背丈ほどもあるB29の一部も探しています。

戦争の記憶を今に伝える、貴重な痕跡。

探索を通して、埋もれていた史実に次々と光が当てられています。

■約80年の時を経て…惨状を伝えるB29の機体の一部を発見

80年近い時を経て、去年12月1日に見つかった、アメリカの爆撃機・B29の機体の一部。

風化が進み、変形した姿から、時の経過と当時の惨状が伝わってきます。

終戦からわずか2週間足らずの1945年8月28日。

アメリカ軍のB29が、捕虜が収容されていた大館市花岡に食料などの物資を届けるため、男鹿市の加茂青砂地区の上空を飛んでいたところ、霧で視界を失い、本山に激突して墜落しました。

乗組員11人が死亡。

1人だけが生き残りました。

バラバラになった機体は、その後、大半が回収されています。

ただ、一部はまだ現場に残されたままで、探してほしいと男鹿のジオパークガイドの男性から相談を受けた探検家の髙橋大輔さん58歳が、16回目の登山で金属を見つけました。

太田朋孝 記者
「ちょっとだけ持たせていただいてもいいですか」
髙橋さん
「持ってください」
太田 記者
「あ、重さもそんなにない」
髙橋さん
「いや、それが私が最初にこれがB29のものじゃないかと直感したもので。いわゆるジェラルミンの機体なので軽く、こう造られているんですよね」
「いろんなものを軽くすることで、より機動力を高めたという。1945年当時の、最新鋭の技術を駆使した爆撃機だったので」

髙橋さんが見つけた金属の検証を、アメリカの国立第二次世界大戦博物館に依頼したところ、B29の一部だと確認されました。

髙橋さん
「エンジンを覆う箱のことをナセルっていうんですよね。そのエンジンナセルの中に、油圧装置があって、その油圧装置とエンジンとの間を結ぶ油圧パイプっていうのが、いくつも通っているんですけれども、このパイプっていうのがその一部だろう」
「私が改めて並べて検証してみると、この金属、この壁の角のところに、この金属の部品があって、それがちょうどこの角のところに当たるんじゃないかなと」

当時の状況を読み解く足掛かりになる、B29の一部。

髙橋さん
「秋田がどういう戦争を体験してたのかっていう、それを一つの物語として提示できるだけじゃなくて、その証拠物としてこういうものが、役割を果たしていけるっていう。だからそういう意味でこれはすごく秋田の中でも宝になっていく。財産になっていくんじゃないかなと思いますよね。地中に埋もれていたりとか、歴史に埋もれているものを探していくっていうことは、この秋田だけじゃなくて、全国にもメッセージが」

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■貴重な史料をもとに 戦争の記憶をつなぐ取り組み
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